革靴に生えたカビを綺麗に落とす方法とカビの予防法

カビの胞子は常に空気中を漂っています。

そう、今あなたがこの記事を読んでいるその空間にも…!

空気中に漂うカビの胞子は目には見えませんが、どこかに付着し気温や温度などの条件が揃っていると繁殖して目に見える形となってあらわれます。

革靴はカビが生えやすい環境にあるため、注意しているつもりでも気がついたらカビだらけになっていることがあります。

この記事では、革靴にカビが生えてしまったときの対処法とカビを生やさないようにする予防法をご紹介します。

カビが生える条件

カビは、カビの胞子がどこかに付着して以下の 3 つ条件が揃うことで、芽を出し根を張って繁殖します。

  • 泥やホコリなどの汚れがついている
  • 気温が 20℃ 〜 30℃ の間くらいである
  • 空気中の湿度が 80% 以上である

泥やホコリなどの汚れはカビの栄養となります。また、気温が 20℃ 〜 30℃ で湿度が 80% 以上の環境で活発になり、一気に繁殖します。

革靴は、これらカビが繁殖する条件が揃いやすい環境にあります。

革靴は常に地面に近いところにあるため、汚れがつくのは避けられません。また、靴をしまう下駄箱は、風通しが悪く、気温・湿度ともに高くなりやすいです。

つまり、革靴はカビの温床になりやすいのです。

カビを落とすときに大切な 2 つのポイント

「うわっ、カビ生えてる!!」

上の写真は、汚れた革靴を高温・多湿の環境に 1 週間ほど放置したあとの状態で、びっしりとカビに覆われています。

綺麗に落とせるのか心配になりそうですが、写真のようなひどい状態でも、市販の靴の手入れ用品を使って簡単にカビを落とすことができます。

カビを落とす際に大切なことは 2 つ、除菌防カビです。

ポイントその 1:除菌(カビを完全に取り除くこと)

カビを落とすときは、カビを完全に取り除くことが大切です。

目に見えない革の繊維にまで入り込んだカビまで落とせていないと、またすぐに繁殖してしまいます。

水拭きしたり水洗いをすれば、一見カビが落ちたように見えます。

しかし、目に見えないところまでカビを落とし切ることができず、水拭きや水洗いによって湿度が高まり、逆にカビの繁殖を助けてしまうということにもなりかねません。

カビを落とすときには、除菌効果のある道具を使って、カビを綺麗さっぱり取り除くことが大切です。

ポイントその 2:防カビ(カビの再発生を防ぐこと)

もう一つ、カビの再発生を防ぐことも大切です。

カビを完全に取り除いても、また靴に汚れがついたり、下駄箱の気温や湿度がそのままだったりするとカビが再発生します。

そうならないために、防カビ効果のあるスプレーを使ってカビの再発生を防ぐことも大切です。

カビの落とし方

カビを落とすときに大切なポイントがわかったところで、実際の落とし方を解説します。

ただ、なかには簡単に落とせないカビがあることに注意してください。

下記に当てはまる場合はカビが革の繊維の奥まで菌が根を張っており、無理にカビを落とそうとすると、革の風合いが変わってしまいます。

  • スエードレザーに生えたカビ
  • 赤いカビ、黒いカビ

該当する場合は、無理に自分で落とそうとせず、プロに依頼したほうが無難です。「美靴パック」などのクリーニングサービスを検討してみてください。

上で紹介した写真のように、スベスベした革(スムースレザー)に発生した白や緑のカビは、これから解説する方法で落とすことができます。

準備するもの

カビ落としには以下のものを準備します。

用意する道具のほとんどは普段の手入れに使用するものです。他の靴にも使い回すことができるので、これを機に一通り道具を揃えておきましょう。

シューキーパー

まず、靴の形が崩れないようにするためにシューキーパーを用意します。

靴の形を綺麗に保つためには、靴のサイズに合ったシューキーパーでなくてはいけません。

革靴には欠かせないシューキーパーの選び方とおすすめ紹介」でシューキーパーの選び方を紹介しています。

これからシューキーパーを購入する方は、ぜひ参考にしてみてください。

除菌スプレー

カビを落とすのに一番大切な道具、除菌スプレーを用意します。

いろんなスプレーが市販されていますが、モゥブレイのモールドクリーナーが一番おすすめです。

除菌力が高い有機ヨードが主成分で、カビの細胞膜を壊して除菌するスプレーです。除菌効果はもちろん、防カビ効果もあるスプレーです。

もう一つ選択肢として、モゥブレィのシューフレッシュナーというスプレーがあります。

防カビ性はモールドクリーナーに劣るものの、消臭効果があるので、臭いが気になる場合はこちらのほうがいいかもしれません。香りの種類も選べます!

アルコール、エタノールは除菌できても防カビできない!

カビ落としにアルコールやエタノールなどの薬品を使うのはあまりおすすめしません。

これらの薬品には除菌効果がありますが、防カビが持続しないためカビを落とせても再発生する可能性が高いです。

効果的に除菌と防カビできる専用の除菌スプレーを使用しましょう。

除菌スプレーを吹いたあと、カビを拭き取るために布を使用します。

カビ落としに使った布にはカビが付着してしまうので、一部しか使っていなくても基本的には使い捨てになります。

もし、捨ててもいいような使い古した T シャツなどが家にあれば、そちらを使ったほうが経済的です。

歯ブラシ & 綿棒(場合によって)

コバ(アウトソールが側面)にカビが生えている場合は歯ブラシ、ウィングチップの穴にカビが生えている場合は綿棒を用意しておきます。

どちらも布では拭き取りにくい部分なので、それぞれ歯ブラシと綿棒を使ってカビを取ります。

手順

カビを落とす手順は全部で 4 ステップ、作業にかかる時間は 10 〜 15 分程度です。

また、モールドクリーナーやシューフレッシュナーは吸い込むと有毒です。屋外で手入れするか、風通しのいい部屋でマスクを着用して手入れするようにしましょう(匂いを嗅いでみたところ、かなり強く鼻がツンとしました!マネしないでね!)。

1. シューキーパーを入れる

まずは、シューキーパーを入れます。

靴紐は外しておきましょう。

2. 除菌スプレーを吹きかける

モールドクリーナーを使用する場合は、靴から 40cm くらい離して全体に行き渡るようにスプレーしましょう。

靴の中やアウトソールにもしっかり除菌スプレーを吹きます。

靴紐にカビが生えている場合は、靴紐にもスプレーを吹いておきましょう。あるいは、このタイミングで新しい靴紐に買い換えてもいいかもしれません。

3. 布でカビを拭き取る

全体にスプレーを吹きかけたら、布を指に巻いてカビを拭き取ります。

コバ(アウトソールが側面に出っ張っている部分)の周辺にカビがびっしりついている場合は、歯ブラシを使ってカビを綺麗に落としましょう。

下の写真では、手近にあった竹のブラシを使用しています。

ウィングチップなど穴抜き加工がされている箇所は、綿棒を使ってカビを拭き取ります。

4. 風通しのいい場所で乾かす

最後に、靴を乾かします。

靴の中やソールに吹いたスプレーも乾かすため、シューキーパーを抜き、ソールを浮かせるようにして風通しのいいところに放置します。

モールドクリーナーの場合、スプレーを吹いた後 1 週間乾かすことが推奨されています。時間に余裕がある方は 1 週間このまま放置しておきましょう。

カビ取りに使ったお手入れ用品は捨てよう!

カビを取るのに使った布や歯ブラシ、綿棒などは使い終わったら捨てましょう。別の靴の手入れなどに使ってしまうと、そちらにカビが移ってしまいます!

ビフォーアフター

下の写真は、手入れ前と手入れ後の靴を比較したものです。

びっしりとついていたカビが綺麗に落ちました!目には見えませんが、スプレーに含まれる防カビ効果のおかけで、カビが再発生するリスクも減りました。

除菌スプレーで綺麗にしたあとは、革の表面がパサついたような状態になり、ツヤがなくなります。乳化性クリームを塗って、保湿とツヤ出しをするようにしましょう。

カビを予防する 3 つの対策

カビを生やさないためには、前章で使用したモゥブレイのモールドクリーナーなど防カビ効果のあるスプレーを使うのが一番効果的です。

ただ、除菌スプレーを吹いても完全にカビの発生を防ぐことはできません。そこで、除菌スプレーに加えて、以下の予防策をおこなうとカビ発生のリスクをさらに抑えることができます。

  • 履いたらブラシで汚れを落とす
  • 下駄箱にしまう前に乾かす
  • 下駄箱にすのこ or 網を敷く

どれもカビが繁殖する条件である「汚れ・気温・湿度」が揃わないようにする工夫です。

住んでいる地域の気候や靴を置く環境によっては、そもそもカビが繁殖する条件が揃いにくいこともあります。

今まで靴にカビが生えたことがなければ、除菌スプレーを使わずとも、これらの対策をしておくだけでカビ繁殖のリスクはかなり抑えられると思います。

除菌スプレーを使うことに抵抗がある、あるいはたくさん靴を持っていて全ての靴に除菌スプレーを吹いてられないというという方にもおすすめの方法です。

カビの予防 1:履いたらブラシで汚れを落とす

まず大切なのは、履いたらブラシで汚れを払い落とすことです。

一日履いたあと靴をよく見ると分かりますが、表面には泥やホコリなどの汚れが付着しています。

汚れはカビの栄養になるので、その日の汚れをブラシで払い落とすようにしましょう。

カビの予防 2:下駄箱にしまう前に乾かす

靴を履いたあとは、1 〜 2 日風通しのいいところで乾かしてから下駄箱にしまうようにしましょう。

履いた直後は靴の中に汗が染み込んでしまっているので、湿度が高くカビが生えやすい状態になっています。

乾かす前にしまうと下駄箱の中の湿度が高くなり、他の靴にもカビが発生する可能性が高くなります。

1 〜 2 日しっかりと汗を乾かしてから下駄箱にしまいましょう。

カビの予防 3:下駄箱にすのこ or 網を敷く

靴の下にすのこか網を敷くようにしましょう。

靴のなかで最もカビが発生しやすいのは、底面(アウトソール)です。

下駄箱にしろ玄関先にしろ、アウトソールは常にどこかに触れている部分のため、湿気が残りカビが生えやすいです。

すのこや網を敷いて靴の底面の通気性を確保しておくと、よりカビが発生にしにくくなります。

おわりに

この記事を読んで、カビまみれだった靴が綺麗になり、さらにカビを予防して快適な革靴ライフを楽しんでいただけると嬉しいです。

ちなみに、ヨーロッパやアメリカではカビの発生する条件の一つである湿度が低いので、日本と比較してカビが生えることが少ないそうです。

羨ましい限りですが、湿度の高い日本に住んでいる限りカビとうまく付き合っていくほかありません。

しっかりとカビに対処しつつ、革靴を楽しみましょう。

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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