忙しい人のための簡単にできる革靴お手入れ術

「銀行マンは融資の判断材料の一つとして靴を見る」らしいです。

他にも、ホテルマンやホステスの方々は「靴を見て上客として接客するべきか判断する」など、足元は意外と人に見られているという話はいろいろなところで耳にします。

普段から手入れの行き届いた靴を履いていれば、思わぬところで思わぬ幸運が訪れるかもしれません。

革靴好きであれば、靴の手入れや靴磨きは趣味みたいなものなので、いろいろな道具を揃え、時間をかけてじっくり丁寧におこないます。

一方で、仕事などで忙しく、必要最低限でササッと済ませたいという方もいらっしゃるでしょう。

そんな方に向けて、今回は、簡単にできる革靴のお手入れ方法を写真付きでご紹介します。

毎日の手入れと月 1 の手入れ

革靴の手入れは大きく 2 通りに分けて考えます。

  • ブラシでホコリや砂を取る(毎日)
  • クリームを塗って磨く(月に 1 回)

です。

「どちらもできれば理想!」と言いたいところですが、もしどちらかだけやるとしたら、前者の「ブラシでホコリや砂を取る」ことからはじめましょう。

一日履いたあとの靴をよく見てみると、細かいホコリや砂がついています。

ホコリがついたままだと、革に必要な油分が失われ、乾燥してヒビ割れがおきます。また、砂がついている状態で、何かに擦れてしまったりすると革に簡単にキズがついてしまいます。

毎日、ブラシでホコリや砂を取るだけでも、するのとしないのとでは全然違ってきます。

まずは、毎日のブラッシングからはじめて、ブラッシングの習慣がついたら、月に 1 回、クリームを塗って磨くお手入れをはじめましょう。

では、「毎日の手入れ」と「月に 1 回の手入れ」に分けて、具体的な方法をご紹介します。

毎日の手入れ

毎日の手入れで必要なものはブラシだけです。

布などでゴシゴシ取ろうとすると、革に傷がついてしまうので、馬毛ブラシを用意します。毛のコシがあってホコリが払いやすいです。

おすすめは、こちらのような大きめの馬毛ブラシです。

馬毛ブラシを使って、以下のようにホコリや砂を払い落とします。面倒なので、靴紐はつけたままで大丈夫です。

片方 30 秒ずつくらいで OK です。

ちなみに、合わせてあると便利なのが、こちらのようなシューキーパーです。

ブラッシングの際に入れておくと、革が張ってシワが伸びるので、ブラッシングしやすくなります。

さらに、シューキーパーには靴の形を綺麗に保つ効果があるので、ブラッシング後も入れたままにしておきます。木材のものが、靴の中の湿気をとって臭いも防いでくれるのでおすすめです。

革靴には欠かせないシューキーパーの選び方とおすすめ紹介」でシューキーパーの選び方を紹介しているので、これからシューキーパーを購入する方は、ぜひ参考にしてみてください。

私はブラシとシューキーパーを玄関先に置いておいて、脱いだらをシューキーパーつけて、軽くホコリを払い落すというのを習慣にしています。

月に 1 回の手入れ

つぎは、月に 1 回のクリームを塗って磨く手入れをご紹介します。

月に 1 回はあくまで目安です。

どのくらいの頻度で履くのか、外回りのお仕事で履くのか、オフィスで履くのかによって変わってきますので、定期的にするのもよし、汚れたらするのもよし、テンションがあがったらするのもよしです。

ちなみに、私の場合は、トゥとボディー部分との光のコントラストが弱くなったらするようにしています。トゥは靴の顔とも言える部分なので、たとえボディー部分が汚れていても、トゥが綺麗だとお手入れしている感があるのです。

用意するもの

手入れには以下のものを用意します。

  • シューキーパー
  • 馬毛ブラシ
  • クリーナー
  • 乳化性クリーム
  • ペネトレィトブラシ
  • 豚毛ブラシ

月に 1 回の手入れでは、乳化性クリームを塗って磨きます。

乳化性クリームとは、革が乾燥してヒビが入らないよう保湿するためのクリームで、革靴を綺麗に履き続けるためには欠かせないアイテムです。

そして、このクリームを効果的に使用するために、クリームのほかにもいくつかの道具を用意します。

靴に砂やホコリがついたままでクリームを塗ると表面に傷がついてしまうかもしれないので、事前に汚れを落とすための馬毛ブラシやクリーナーを準備します。

また、クリームを靴全体に均一になじませるための豚毛ブラシでブラッシングすると、クリームの保湿効果が高まるほか仕上がりも綺麗になるので、1 つは持っておいた方がいいでしょう。

この章で紹介している道具さえ揃っていれば、汚れ落としから磨き上げまで、もれなく手入れすることができます。

ぜひ、これを機にひと通り道具を揃えてみてください。

シューキーパー

靴の形が崩れないようにするためにシューキーパーを用意します。

シューキーパーを靴の中に入れることで、革がピンっと張ってクリームが塗りやすい状態になります。

馬毛ブラシ

一日履いたあとの靴をよく見てみると、ホコリやチリなどがついているのがわかります。

クリームを塗る前に、これらのゴミを馬毛ブラシで払い落とします。

全体をブラッシングするので、しっかり持つことができる大きいブラシがおすすめです。

クリーナー

馬毛ブラシだけでは落としきれない細かいゴミや汚れを拭き取るために、クリーナーを使います。

革を痛めることなく汚れを落とすことができるモゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。

乳化性クリーム

靴用クリームには大きく分けて「乳化性クリーム」と「油性クリーム」の 2 種類があります。

このうち油分と水分の補給ができるのは乳化性クリームです。

油性クリームは、主に艶出しを目的に使うクリームです。

革は乾燥に弱く、乾燥しすぎるとひび割れてしまうことがあります。

ひび割れてしまった革はもとには戻らないので、革靴の手入れにおいて革を乾燥から守ることが大切です。

乾燥を防ぐには、乳化性クリームのほうが効果が高いので、乳化性クリームを用意するようにしましょう。

基本的には無色(ニュートラル)のクリームを使います。

ただ、色落ちや傷を目立たなくしたい場合は、色付きのクリームを選んでもいいでしょう。その場合は、靴と同じかすこし明るめの色を選ぶようにします。

どれを使えばいいの?革靴クリームの種類と定番おすすめクリーム」でおすすめのクリームを紹介しているので、どのクリームを購入するか迷った方はぜひ一度ご覧ください。

ペネトレィトブラシ

ペネトレィトブラシは、クリームを塗るための小さいブラシです。

手を汚すことなくクリームを使えるので、とても重宝します。

豚毛ブラシ

ペネトレイトブラシで塗ったクリームを全体に均一に伸ばしていくために、豚毛ブラシを使います。

豚毛は馬毛に比べて毛先が固いので、クリームを薄く均一に行き渡らせることができます。

布はクリーナーで汚れを拭き取るときと、最後の仕上げに磨くときに使います。

使い古した T シャツなどでも代用可能です。

手順

クリームは以下の手順で使用します。

  1. シューキーパーを入れる
  2. 馬毛ブラシでホコリを落とす
  3. クリーナーで汚れを拭き取る
  4. クリームを塗る
  5. 豚毛ブラシでクリームをなじませる
  6. 布で磨く

実際にクリームが登場するのは、4 番目以降のステップですが、その前に革の表面のゴミや汚れを落としておきます。

そうすることで、クリームの保湿効果が高まり、また仕上がりもきれいになります。

1. シューキーパーを入れる

最初に、手入れの邪魔になる靴紐をはずして靴の中にシューキーパーを入れます。

形がしっかりと保たれるので手入れがしやすくなります。

また、シューキーパーにはアウトソールの反りを矯正し、靴の形をきれいに保っておく効果があるので、手入れが終わった後も入れたままにしておきます。

2. 馬毛ブラシでホコリを落とす

次に馬毛ブラシで靴についているホコリを払い落とします。

コバ周り(ソールが側面に出っ張っている部分)や縫い目などはホコリがたまっているので、入念にブラッシングしましょう。

足の甲に当たっている「ベロ」と呼ばれる部分にもホコリがたまりやすいので、ブラッシングします。

靴のデザインによってはベロをブラッシングできないこともあります。その場合は、次の手順の「3. クリーナーで汚れを拭き取る」で汚れを取るようにします。

3. クリーナーで汚れを拭き取る

ブラシでは落としきれない細かな汚れをクリーナーで拭き取ります。

指に布を巻き、10 円玉の大きさくらいに染み込ませます。

ゴシゴシすると革が傷んでしまうため、やさしくなでるように靴を拭きます。

1 度クリーナーを取っただけでは全体を拭ききれないので、2 〜 3 回に分けて全体を綺麗にします。

4. クリームを塗る

いよいよ、クリームの出番です。

下記の写真を目安に、ペネトレィトブラシにクリームを取ります。

靴に塗り込みます。

一度では全体に塗りきれないので、2 〜 3 回クリームを取って全体に塗ります。

羽の部分も忘れないように塗りましょう。

5. 豚毛ブラシでクリームをなじませる

次に、豚毛ブラシでブラッシングしてクリームをなじませます。

少し力を入れて強めにブラッシングするのがコツです。

ここまで終わると、少しだけ艶が出てきます。

6. 布で磨く

最後に、布で磨きます。

これで完了です!

一連の手順を動画でまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

おわりに

靴を綺麗にすると、相手の印象が良くなる一方で、自分の気分も高まります。

磨いた次の日に履くと分かりますが、気分が晴れやかになります。ぜひ、試してみてください。

道具を揃えたり、実際に手入れしたりする時間がなかなか確保できないという方は、まずはブラッシングだけでもはじめてみることをおすすめします。

ブラシを買って玄関先に置いておき、帰宅したらササッとホコリを落とすようにしましょう。そして、ブラッシングの習慣がついたら、月に 1 回のお手入れもおこなうようにしましょう。

更なるステップアップとして、ワックスを使った靴磨きなどもできると、もっと綺麗になります。こちらの記事がわかりやすかったので、ご紹介させていただきます。

初心者でも簡単!革靴の磨き方(クリーム・ブラシなどお手入れ方法)

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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