革靴は何足持つべき?ローテーションで履くべき靴の数と種類を考える

お気に入りだからといって、同じ革靴を連日履いてはいけません。

同じ靴を続けて履くと臭いやカビなどの問題が起こります。

長く履きたいのであれば、同じ靴ばかり履かずに何足かをローテーションしながら履くようにしましょう。

お気に入りならなおさらですね。

私は自作するくらい無類の革靴好きでカッコいい革靴なら何足も持っていたいですが、「最低何足あればいいの?」と聞かれれば 4 足と答えます!

この記事では、革靴をローテーションして履くべき理由を解説します。

どんな革靴を買ったらいいか悩んだときのために、デザインや色、製法、素材別でおすすめの選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

なぜ革靴はローテーションで履くべきなのか

ローテーションして履くべき理由は、汗を乾かす期間を設けるためです。

足は 1 日でコップ半分から 1 杯ほどの汗をかいていると言われ、1 日履くと完全に乾くまで 2 日ほどかかります。

汗が乾かないまま繰り返し履くと靴の中の湿気はずっとこもったままになり、以下の 2 つの問題を引き起こします。

問題 1:臭くなる

1 つ目の問題は「臭くなる」です。

臭いの原因は、汗そのものではなく汗によって増えた細菌の老廃物です。

細菌は汗による湿気で増殖し、それによって細菌の老廃物も増え、結果靴が臭くなります。

細菌は乾燥に弱いので、乾かすことで細菌が増えるのを防ぐことができます。

問題 2:カビが生える

また、同じ靴を連日履くことで「カビが生える」という問題も起きます。

カビは、汚れ・温度・湿気の 3 つ条件が揃うと発生します。

靴は常に地面に近いところにあるので、ホコリや泥などの汚れがつくことは避けられません。また、夏場には玄関や下駄箱の中など靴を置いておく場所は温度が上がりやすいです。

この状況で同じ靴を連日履くと、靴の中に湿気がこもったままになり、3 つの条件が揃うことになります。

気がついたときには靴の中のつま先付近にカビが生えている、なんてことになりかねません。

臭いを防ぐためにも、カビを防ぐためにも、連日同じ靴を履くのではなく、一度汗を乾かす期間を設けることが大切です。

革靴は最低 4 足持っておくべき!

汗を乾かしている間は当然その靴は履けませんので、複数の靴をローテーションで履くことになります。

では、最低何足持っていれば、汗を完全に乾かす期間をいれつつローテーションがまわせるのでしょうか。

私は、ローテーション用に最低 3 足持っていればいいと思っています。

冒頭で書いた 4 足というのは、これに雨の日用の 1 足を加えた数字です。

ローテーション用に 3 足、雨の日用に 1 足、合計 4 足持っていれば、汗で湿気がこもったままになることなく、かつ雨に濡れることで起きるカビやシミなどの問題も避けることができます。

詳しくご説明します。

普段は 3 足をローテーションで履く

靴に染み込んだ汗を完全に乾かすには、2 日ほどかかると言われています。

私の経験上 1 日でもある程度乾きますが、汗の量や季節によっては完全に乾ききらない場合もあるので、やはり 2 日は間を空けるのが理想です。

したがって、3 足あれば 1 日履いた靴を 2 日間汗を乾かす期間にあてることができます。

天気が悪いときは雨の日用の 1 足を履く

晴れの日は 3 足をローテーションで履きつつ、雨の日は別の 1 足を履くようにします。

理由は、普段履いている靴を雨から守るためです。

革は濡れると硬化・収縮する特性があり型崩れしやすいことから、水に弱いとされています。その他にもカビやシミなど、濡れることでさまざまな問題を引き起こします。

雨の日もローテーション用の靴を履いてしまうと、そのうち全ての靴が雨に濡れ、型崩れしてシミだらけでボロボロになってしまいます。

雨用の靴には申し訳ない気持ちになりますが、型崩れしてもシミになってもいいような、雨の日専用の靴を 1 足持っておくようにします。

普段履く 1 足と雨の日用の 1 足から揃えよう

最低 4 足必要といっても、いきなり 4 足も揃えるなんて無理な話です。

まずは、普段履く 1 足、次に雨の日用の 1 足を購入するのがおすすめです。

雨の日用といっても雨の日にしか履けないわけではないので、最初は 2 足を履き回して徐々に買い足すようにしましょう。

革靴の選び方

何足も革靴を揃えるとなるとかなりお金がかかりますので、機能的にもデザイン的にもしっかりと長く履けるものを選びたいです。

もちろん、どんな革靴を選ぶかは完全に自由ですが、迷ったときの一つの参考にしていただけるように、革靴を選ぶときのポイントを 4 つご紹介したいと思います。

デザインを選ぶ

フォーマルなシーンで履くなら内羽根(オックスフォード)、カジュアルなシーンで履くなら外羽根(ダービー)がおすすめです。

この 2 種類は革靴の定番ともいえるデザインです。

他にもモンクストラップやローファーなどさまざまなデザインの革靴がありますが、はじめの 1 足としては定番の内羽根か外羽根を選んでおけばハズレはありません。

フォーマルな印象をあたえる内羽根(オックスフォード)

内羽根(オックスフォード)は、フォーマル度の高いデザインです。

装飾が少なくフォーマルな印象です。

シルエットがすっきりしているので、ビジネスや冠婚葬祭などのフォーマルな場で活躍します。

もちろんカジュアルなシーンで履けないというわけではなく、私はラフな服装にも合わせてガンガン履いています。

デザイン上の特徴として、靴紐を通す穴が付いた羽根と呼ばれるパーツが靴の甲の下に潜り込んでいることがあります。

靴紐を通す穴が付いた羽根が、靴の甲のパーツの下に入り込んでいます。

カジュアルな印象をあたえる外羽根(ダービー)

外羽根(ダービー)は、カジュアルな印象のあるデザインです。

装飾が多く見え比較的カジュアルな印象です。

内羽根と異なり、羽根が装飾のように見えるため比較的カジュアルな印象をあたえるデザインです。

普遍的なデザインなのでどんな服装にも合わせられますし、羽根が自由に動くので足がむくんだときに締め付けを調整しやすいというメリットもあります。

デザイン上の特徴として、靴紐を通す穴が付いた羽根と呼ばれるパーツが靴の甲に覆うように付いていることがあります。

靴紐を通す穴が付いた羽根が、靴の甲のパーツの上に覆いかぶさっているのがわかります。

雨の日用ならチャッカーブーツ

雨の日用の 1 足なら、チャッカーブーツがおすすめです。

かかとからくるぶしにかけて覆われたデザインのチャッカブーツ。

チャッカブーツはかかとからくるぶしにかけて覆われているので、雨や泥などが入りにくい作りです。

また、通常のブーツよりも脱ぎ履きがしやすいのもポイントです。

色を選ぶ

色に悩んだら、さまざまな服装やシーンに比較的合わせやすい「」「茶色」「バーガンディー」あたりがおすすめです。

誠実な印象をあたえる黒

黒は、定番中の定番とも言える色で、どちらかといえばフォーマルな印象があります。黒であれば、どんな服装にもバッチリ決まります。

優しい印象をあたえる茶色

茶色も、黒と同じように定番の色です。黒よりも柔らかく、優しい印象を見る人に与えます。

大人っぽい印象をあたえるバーガンディー

私のイチオシは、バーガンディーです。少し赤みがかった紫がちょっと大人っぽい雰囲気を出してくれます。

雨の日用なら暗い色

雨の日用の 1 足なら、黒や濃い茶色などなるべく暗い色にするのがおすすめです。

薄い色にしてしまうと、雨シミや汚れが目立ってしまい見る人にだらしない印象を与えてしまいます。

できるだけ汚れや雨シミが目立ちにくいように、暗い色を選ぶのがベターです。

製法を選ぶ

製法は、「グッドイヤー・ウェルト製法」または「マッケイ製法」の靴がおすすめです。

長く履くには繰り返し修理が可能な構造である必要があります。そのため、靴がどんな製法で作られているかも靴を選ぶ大事な基準になります。

グッドイヤー・ウェルト製法とマッケイ製法は繰り返し修理が可能な製法なので、この 2 つのどちらかを選ぶとより長く履くことができます。

グッドイヤー・ウェルト製法

グッドイヤー・ウェルト製法は、アウトソール周りのドシッとした重厚感のある見た目が特徴です。

ドシッとした重厚感のある見た目です。

履き始めは硬く歩きづらい場合がありますが、履きなれるとインソール(足の裏が当たる部分)が足の形に沈み込む構造になっているため、長時間履いても疲れにくい利点があります。

構造が複雑なぶん、比較的価格が高いです。

マッケイ製法

マッケイ製法は、アウトソール周りがスッキリとした華奢な見た目が特徴です。

スッキリとした華奢な見た目です。

比較的シンプルな構造で、履き始めから柔らかい履き心地ですです。ただし、グッドイヤー・ウェルト製法ほどインソールが沈み込まず、長時間履くと疲れてしまいます。

グッドイヤー・ウェルト製法の靴に比べるとシンプルな構造のため、価格が安いです。

雨の日用ならグッドイヤー・ウェルト製法かセメント製法

雨の日用の 1 足なら、「グッドイヤー・ウェルト製法」か、アウトソールを接着している「セメント製法」かがおすすめです。

マッケイ製法は、糸の縫い目が外から中(アウトソールからインソール)まで繋がっているため、雨が染み込んできます。

セメント製法やグッドイヤー・ウェルト製法は、縫い目が外から中まで繋がっておらず、構造上雨が靴の中に入ってくる可能性が低い作りになっています。

素材を選ぶ

基本的には革の質感や経年変化をより楽しめるスムースレザーを使った革靴がおすすめです。

上品さを重視するのであれば、スエードレザーを選んでもいいでしょう。

革の質感や経年変化が楽しめるスムースレザー

スムースレザーは表面がサラサラしている革で、ツヤが出たりシワが入ったりと革の質感を楽しむことができます。

スムースレザーの靴です。表面がサラサラとしています。

上品さが魅力のスエードレザー

スエードレザーは表面を起毛している革で、温かみが感じられる上品な印象を見る人に与えます。

スエードレザーの靴です。表面がゴワゴワしています。

雨の日用ならスエードレザーか型押しレザー

雨の日用の 1 足なら、スエードレザーか型押しレザーがおすすめです。

スエードレザーは、防水スプレーを吹けば蓮の葉のように水を弾くので濡れにくく、また雨シミができにくいです。

型押しのレザーは、雨に降られてシミになっても型押しがカモフラージュとなって汚れが目立ちにくいです。

革靴を長く綺麗に履くための 3 つのコツ

最後に、革靴をローテーションで履くことに加えてやっておくと良い、革靴を長く綺麗に履き続けるためのコツを 3 つご紹介します。

革靴の最大の魅力といえば、履き込むほどに味が出る経年変化です。

ローテーションして履くのはもちろん、手入れをしながら靴を「育てる」ことも革靴を長く綺麗に履くため秘訣です。

長く履くためのコツ 1:新品の状態で 1 度クリームを使った手入れをする

靴を買ったらすぐに履きたい気持ちを抑え、まずはクリームを使った手入れをしましょう。

「新品なのに手入れが必要なの?」と思うかもしれませんが、長く履くためにはとても大切なことです。

靴は、製造が終わったタイミングで一度クリームが塗られます。

ただ、そのあと運送・保管され店頭に並んで… と、時間が経つうちにクリームの水分と油分は抜けていき、実際に履かれる頃には乾燥した状態になっています。

乾燥した革はもろいので、履いた瞬間に細かなひび割れができてしまう、なんてことにもなりかねません。

長く綺麗な状態を保つために、履く前に一度クリームを使って保湿しましょう。

クリームを使った手入れの方法は「長持ちさせるために、新品の靴の手入れと履く前にするべき 2 つのコト」の記事で紹介しています。

新品の靴を手入れする際は、ぜひ参考にしてみてください。

長く履くためのコツ 2:履いたらシューキーパーを入れてブラッシング

靴を 1 日履いたら、シューキーパーを入れてブラッシングするようにしましょう。

シューキーパーは木やプラスチックでできた靴の形をした手入れ用品で、革靴の形を綺麗に保ってくれます。

靴の中に染み込んだ汗を吸収してくれるので、木製のシューキーパーがおすすめです。

1 日履いた靴をよくみてみるとホコリや泥などがついているのが分かります。

ブラッシングをササッとするだけで靴が綺麗に見え、さらにカビを防止する効果も期待できます。

ブラシには豚毛や羊毛などいくつか種類がありますが、汚れを落とすなら馬毛のブラシがおすすめです。

毛先が柔らかく、ホウキのようにササっと汚れを落とすことができます。

初めは面倒に感じるかもしれませんが、慣れればどうってことありません。

脱いだらシューキーパーを入れて、ブラシでササッと汚れを落とす。これを習慣にしてしまいましょう。

長く履くためのコツ 3:月に 1 回のクリームを使った手入れ

月に 1 度、クリームを使って靴を手入れしましょう。

革に含まれる油分と水分が、革をしなやかで丈夫にしています。しかし、履くにつれてだんだんと抜け落ち乾燥してくるので、定期的にクリームで補給することが大切です。

油分と水分の補給には、乳化性クリームという種類のクリームを使用します。

使い方は簡単で、下の写真のように布にクリームをとって靴に塗り込むだけです。

クリームを布に取ります。
靴に塗り込みます。

慣れれば 5 分とかからない簡単な手入れです。

月の最後の週末に手入れするなどの決めて、定期的におこなうようにしましょう。

おわりに

ここまで読んで頂きありがとうございました。

4 足を履き回すのが絶対だ!というわけではなく、1 足を履き回して壊れたら新しいものを購入するのも一つの方法だと思います。

しかし、同じ靴ばかり履いていると臭いやカビといった問題が起きやすく、そうなると愛着も薄れてしまいます。

何足か持っておいて、それぞれを育てるように履き回すのが、良い革靴との付き合い方のように思います。

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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