カタオカケンのプロフィール

こんにちは。

当ブログを運営していますカタオカケンと申します。

靴作りに勤しむ 28 歳です。

趣味は靴を眺めること、特技は靴を磨くこと、というほど革靴が好きです。

革靴専門のネットショップ「靴職人の営む革靴店」を運営しながら、自分で靴作りもしています。

革靴は意外にも多くのパーツからできています。針の穴を通すような正確さですべてのパーツを寸分の狂いもなく組み上げていく作業は、途方もなく感じることもありますが、時間を忘れて没頭してしまう楽しさもあります。

そして、一足の靴を完成させたとき、完成させた靴を履いてもらえたとき、喜んでもらえたときは、この上ない達成感があります。

このブログでは、革靴に関するいろんな情報を発信していきたいと思っています。なかでも、革靴の手入れに関する情報にはとくに力を入れています。

靴作りを始めてから、一足一足の靴が試行錯誤のうえで形になっていることが分かり、それまでよりも靴を大切に履こうと思うようになりました。

それまでなんとなくしてきた靴の手入れ方法もきちんと勉強しておこなうようになりました。

きちんと手入れをされて長年大切に履かれた革靴は、風合いが増し、足になじみ、新品の靴以上の魅力がでてきます。

手をかければかけるほど革靴がそれに応えてくれる感覚は、靴作りとはまた違った楽しさがあります。

そんな手入れをしながら革靴と長く付き合う楽しさをこのブログを通して共有できればいいなと思います。

初めて買った革靴は RED WING(レッド・ウィング)

私が革靴を好きになったきっかけは、Red Wing(レッド・ウィング)の Post Man(ポストマン)という靴でした。

大学 1 年生の頃にバイト代で買った、私にとっての初めての革靴です。

Red Wing(レッド・ウィング)のポストマン。

もとから革製品が好きで、なかでも履き込まれた革靴には特に魅力を感じていました。

鈍い光沢やシワの表情に、モノを大切にする精神が反映されている気がしたからです。

ポストマンという靴が店頭に並んでいるのを見て、ぽってりとした形が私がイメージする革靴にぴったりでした。

調べてみると、アメリカの配達員(英語でポストマン)が履いていた靴を復刻した靴ということが分かり、歴史的な背景にも惹かれて購入しました。

当時は「10 年間履いたらどうカッコよくなるのかなぁ」なんて妄想しながら、何の知識もないままテキトーにクリームを塗っていました。

サイズがぶかぶかになって(インソールが沈んでしまったので)もう履くことはありませんが、今でも大切にしまっています。

イギリス留学時代にかよった Allsaints Spitalfields(オールセインツ・スピタルフィールズ)

大学 3 年生の頃、1 年休学して語学を習得するためにイギリスへ留学していました。

相変わらず革靴が好きで、特に Allsaints Spitalfields(オールセインツ・スピタルフィールズ)というショップがお気に入りでした。

壁一面にミシンがディスプレイされた、Allsaints Spitalfields(オールセインツ・スピタルフィールズ)の店舗

イギリスでは有名なショップで、いたるところにありました。革の質感を活かした雰囲気の靴が多く、暇を見つけては、靴を見るためだけに店にかよっていました。

Allsaints Spitalfields(オールセインツ・スピタルフィールズ)のダービーとブーツ

英語を習得するために留学していたので、靴ばかりに気をとられてはいけない…!と思っていましたが、靴を作るようになった今では、もっと本場の靴に触れておけばよかったな、とふと思うことがあります。

Alden(オールデン)にどハマりする

社会人になってすこし経済的に余裕がでてきた頃に「いっちょ、いい靴買っとくか!」と思い立ち、手を出したのが Alden(オールデン)でした。

オールデンと言えば、コードバンを使った靴が有名です。

コードバンの波打つようなシワと艶感が、私のイメージする履き込まれた革靴の理想に近いと思い、一足購入しました。

Alden(オールデン) の 6 アイレット チャッカブーツ

そこからコードバン靴の虜になり、コレクターのように珍しい靴を買い漁り始めました。多いときではオールデンだけで 15 足くらい持っていたと思います。

海外のマニアな人たちと集まり、仕様を決めてセレクトショップに別注をかけるほど熱狂的なファンでした。

Alden(オールデン) の NST シングルモンクストラップ

オールデンは思い入れの強いブランドです。

運命の一足、Il Micio(イル・ミーチョ)

ある日、何気なしに海外の通販サイトを見ていると、Il MICIO(イル・ミーチョ)の靴が目にとまりました。

Il MICIO(イル・ミーチョ) のビスポーク

イル・ミーチョは、イタリア・フィレンツェにあるピスポークのお店です。

それまではアメリカの靴を履くことが多く、イタリアの靴は今まで持っていた靴とは全く系統が違いました。

しかし、言葉にできない魅力を感じて購入してみると、その魅力に一気に引き込まれました。

自分が見てきたアメリカ靴とは明らかに雰囲気が違ったため、それまで気にしたことがなかった靴の作りについて調べるようになりました。

かかとに縫い目がないシームレス、ヒールがテーパードになっているピッチドヒール、土踏まずを絞るベヴェルトウェストなど、美しく見せるための意匠がふんだんに盛り込まれていることが分かりました。

土踏まずやヒールの美しいライン

この靴に出会ってから、革の質感だけではなく靴の造形美や意匠にも着目し始めました。

靴作りを始めるきっかけとなった靴、Saint Crispin’s(サンクリスピン)

靴の造形美に着目するようになってからは、ピスポークやヴィンテージシューズを探すようになりました。

いい靴がないか調べては買って、また調べては買ってをずっと繰り返していました。

そんななかで出会ったのが、Saint Crispin’s(サンクリスピン)というオーストリアの靴メーカーです。

サンクリスピン(Saint Crispin’s)のコインローファー

特徴のある形状と手仕事感のある仕上がり、革の雰囲気を生かしたデザインは、イギリス靴やイタリア靴など国の特色ではくくることができない、オリジナルの靴メーカーだと感じました。

サンクリスピンが好きすぎて、オーストリア・ウィーン郊外にある本社オフィスに押しかけたこともありました。今思えばかなり迷惑なヤツだったと思います。笑

サンクリスピンのオフィスの棚に並べられたサンプルシューズ

そして、サンクリスピンで働きたいと思いました。

ルーマニアに位置するサンクリスピンの工房には 20 人くらいの職人が在籍していることも調べ、その中に入ってやろうと企んでいました。

今振り返ると、サンクリスピンへの憧れが靴作りを始めたキッカケだったと思います。

今でもサンクリスピンは大好きで、いつかルーマニアの工房に行くのが私の夢の一つです。

靴を作るようになってから現在まで

そこから、東京都内にある靴教室に通って靴作りを勉強するようになりました。

自作の 3 アイレットダービー

その頃から、新しい靴を買うことが減りました。

自分で作りたい!というのももちろんありますが、冒頭で書いたように、一足一足の靴が試行錯誤のうえで形になっていることが分かり、今持っている靴を大切に履こうと思うようになったからです。

そして、今まではなんとなくしてきた靴の手入れもきちんと調べておこなうようになりました。

自作のチャッカブーツ

また、自分のために靴を買ったり作ったりするよりも、人に履いてもらうことを一番に考えるようになりました。

相手の服装や所有している靴を見ながら「この人にはどんな靴が合うかな」と考えることはとても楽しく、履いてもらえたときは嬉しくなります。

これからはさまざまな技法を身につけて、「この人にはこの靴!」という想像を形にできるように色々な靴づくりに挑戦していきます!

よろしくお願いします。