どれを使えばいいの?革靴クリームの種類と定番おすすめクリーム

私は昔から靴が好きで、今までいろんなクリームを使って革靴を手入れしてきました。

100 均に売っているような安いクリームから 2000 円を超えるような高級クリームまで、国内外のさまざまなメーカーのものを試してきました。

今回は、そのなかで「これはオススメできる!」というクリームを 8 つ厳選してみました。

「クリームの種類が多すぎて、どれがいいか分からない!」とお困りの方に、私の経験がお役に立てば幸いです。

前提知識:主な革靴クリームの種類

おすすめの革靴クリームを紹介する前に、まずはクリームの種類について簡単に解説したいと思います。

すこしだけお付き合いください。

革靴クリームは、大きく以下の 3 種類に分けることができます。

  • 乳化性クリーム
  • 油性クリーム
  • ワックス

他にもありますが、ひとまずこの 3 種類の革靴クリームを区別して使い分けることができれば OK です。

乳化性クリーム

まずは、乳化性クリームです。

3 種類の革靴クリームのなかで一番大切なクリームです。

乳化性クリームには、油性クリームとワックスにはない革を保湿する効果があります。

革にはもとから水分や油分が含まれていますが、時間が経つとだんだんと抜け落ちて乾燥してきます。乾燥すると革はもろくなり、ひび割れてしまいます。

革は、一度ひび割れてしまうと元通りにはなりません!

そうならないよう、定期的(月に 1 回くらい)に乳化性クリームを塗って革を保湿することが大切です。

革靴を長く履く上では、3 種類の革靴クリームすべてを使う必要はなく、乳化性クリームだけ使っておけば大丈夫です。

油性クリーム

つぎに、油性クリームです。

こちらは、革の表面に光沢を出すために使用します。

乳化性クリームのように革を保湿する効果はなく、主に艶を出して見栄えを良くする目的で使います。

油性クリームを塗ることで、主成分のロウが革の表面をうっすらとコーティングしたような状態になり、パリッとした光沢が生まれます。

革靴を長く履く上で必須のクリームではありませんが、見栄えを良くして楽しみたいときに使います。

使い方は後ほどご紹介しますが、乳化性クリームと同じ要領で簡単に使えるのもポイントです。

ワックス

最後に、ワックスです。

ワックスは、鏡面磨きで革の表面をピカピカにするために使用します。

鏡面磨きとは、ワックスを使って革の表面を鏡のようにピカピカにする仕上げのことをいいます。

光沢を出すという点で油性クリームと目的は同じですが、ワックスのほうがさらに強い光沢が出ます。

ただ、油性クリームに比べて、使うのにちょっとコツが要ります。

油性クリームと同様、革を乾燥から守る効果はありません。

まとめると、乳化性クリームは革を保湿して乾燥から守ること油性クリームとワックスは光沢を出しをして見栄えを良くすることを目的として使用します。

革靴クリームの使い分け

3 種類のクリームをどのように使い分ければいいのかお話します。

まず欠かせないのは「乳化性クリーム」です。

先ほども書いたとおり、油性クリームとワックスには革を保湿する(水分と油分を与える)効果がありません。

よって、油性クリームやワックスを使う場合は、乳化性クリームと併用するようにします。

「乳化性クリームで水分と油分を与える」→「油性クリームを使う」

「乳化性クリームで水分と油分を与える」→「ワックスを使う」

といった感じです。

乳化性クリームを塗るだけでも多少の光沢は出るので、油性クリームやワックスを使わないという選択肢もあります。

油性クリームとワックスは、仕上がりの好みで使い分けます。

ただ、ワックスを使うのはすこし手間がかかるので、乳化性クリームを塗ったとき以上の光沢を出したいときは、とりあえず油性クリームを試しているのがいいかもしれません。

それぞれのクリームの仕上がりの違いを見てみましょう。

ナチュラルな仕上がりを目指すなら「乳化性クリーム」

乳化性クリームは、じんわりとナチュラルな光沢が出ます。

左:クリームなし。右:乳化性クリームを使用。乳化性クリームを塗った右の方はじんわりと光沢が出ているのが分かります。

強めの光沢感よりも、ナチュラルな仕上がりを大事にするなら、乳化性クリームだけで十分です。

水分と油分の補給に特化した「デリケートクリーム」

乳化性クリームのなかには「デリケートクリーム」と呼ばれるクリームがあります。

主成分は乳化性クリームと同じですが、通常の乳化性クリームより水の割合が多く作られています。

純粋に革を保湿することを目的としたクリームで、光沢を出す効果が薄いです。

通常の乳化性クリームよりもさらに光沢を抑えたいときに使用します。

手軽にツヤツヤにしたいときは「油性クリーム」

油性クリームを使うとツヤツヤ感が増します。

左:クリームなし。右:油性クリームを使用。

乳化性クリームだけではちょっとツヤが物足りないときは、油性クリームを使うと強めの光沢が出てピシッとキまります。

後ほど解説しますが、乳化性クリームと同じ塗り方で手軽に使えるのもポイントです。

最高にピカピカにしたいときは「ワックス」

ワックスを使うと鏡のようにピカピカになります。

左:クリームなし。右:ワックスを使用。鏡面磨きが上手な方はもっとピカピカになります。

キラリと光るゴージャスな雰囲気にしたいというときは、ワックスを試してみましょう。

おすすめの革靴クリーム(乳化性クリーム編)

ここからは、3 種類のクリームごとに「これはオススメできる!」というものを紹介してみます。

まずは、乳化性クリームから。

コスパを重視するなら、サフィール ビーズワックスファインクリーム

コスパを重視する方におすすめなのが、サフィール ビーズワックスファインクリームです。

乳化性クリームの定番商品です(商品名に “ワックス” と書いているのでまぎらわしいですが)。

ほかの乳化性クリームと比べると伸びが良くて使いやすいので、はじめての方にもオススメです。

艶も良い具合に出ます。

そして、何より安いです!

あと、個人的にはこの金と紺のパッケージが好きです。

ちなみに、色のバリエーションが 75 種類(!)もあります。

いろんな色の革靴の手入れをしたいという方は、ビーズワックスファインクリームで集めると統一感があっていいかもしれません。

艶感を重視するなら、M.モゥブレィ・プレステージ クリームナチュラーレ

水分と油分を与えつつ艶もしっかり出したいというときは、M. モゥブレィ・プレステージ クリームナチュラーレがおすすめです。

M. モゥブレィの乳化性クリームのなかで、天然の原材料のみを使った上級ラインにあたるのが M. モゥブレィ・プレステージ シリーズです。

乳化性クリームながらしっかり艶が出るのが特徴です。

この乳化性クリームはコードバンやアニリンレザー、オーストリッチなど、取り扱いがデリケートな革にも使うことができます。

いろいろな種類の革の靴を持っている方にもおすすめできるクリームです。

素材の良さを十二分に楽しむなら、コロニル 1909 シュプリームクリームデラックス

光沢を抑えて素材の良さを十二分に楽しみたいときには、コロニル 1909 シュプリームクリームデラックスがおすすめです。

私のイチオシでもあります!

コロニルというドイツのブランドから出ているデリケートクリームです。

塗ったあとのベタつきがまったくなく、さらりとした仕上がりになるのが特徴です。

ロウ成分が少ないため、塗った後の艶は控えめ。その分、革本来の良さを感じることができます。

いい香りがして使っていて気持ちがいいのもおすすめする理由の一つです。

おすすめの革靴クリーム(油性クリーム編)

次に、油性クリームは以下の 2 つをおすすめします。

悩んだらとりあえずコレ、サフィールノワール クレム 1925

油性クリームでどれを選べばいいか迷ったら、とりあえずサフィールノワール クレム 1925 を選んでおけば間違いありません!

サフィールノワールは、フランスのシューケア用品メーカーのサフィールが展開する最高級ラインです。

その質の高さから、靴メーカーや靴磨きのプロにも愛されています。

パリッとした艶が出るのはもちろんのこと、革に浸透してしっとりとした質感になります。

パッケージに高級感があるのも良いですね!

常に高い品質を維持し続けるため、日頃からメーカーや靴磨きのプロからのフィードバックを受けてマイナーアップデートをたくさんしているのだとか。

常に良い商品を世に出したいという思いに共感します。

ワックスのような鋭い艶を出すなら、ブートブラック アーティストパレット

油性クリームでもう一つおすすめしたいのは、ブートブラック アーティストパレットです。

革を供給するタンナーや靴の小売り店などに 90 年以上ものあいだ仕上げ剤やクリームを提供してきた、シューケア用品メーカーのコロンブス。

そのコロンブスが、これまでの知識と開発力を結集して作り上げたのが、ブートブラック シリーズです。

このクリームの特徴は、油性クリームながらワックスのような鋭い艶が出ることです。

ワックスを使って鏡面磨きするのが面倒な方におすすめです。

香りが良く、伸びもとてもいいので、使っていて気持ちがいいです。

残念なことに Amazon や楽天での取り扱いはありませんが、伊勢丹の店頭や伊勢丹オンラインストアで購入できます。

おすすめの革靴クリーム(ワックス編)

ワックスは以下の 3 種類がオススメです。

靴用ワックスの定番 6 種を徹底比較!おすすめのワックスはコレだ!」で、実際にワックスを使った検証をしています。

実際にどんな仕上がりになるか気になる方は、あわせてご覧ください!

安いのにパフォーマンスは抜群!キィウィ シューポリッシュ

キィウィ シューポリッシュは、ワックスとしての実力は一流なのに、それでいてめちゃくちゃ安いというスーパーワックスです。

キィウィはオーストラリアのシューケア用品ブランドで、なんと世界で約 170 カ国以上の国々で愛用されているのだそうです。

使いやすいのではじめての方にもオススメです!

パッケージが可愛いので、女子ウケがいいかもしれません。笑

繊細で優しい光沢にしたいなら、キィウィ パレードグロス

キィウィ パレードグロスは、キィウィ シューポリッシュの上位互換品として販売されている商品です。

キィウィ シューポリッシュに比べて、上品な仕上がりになるのが特徴です。

値段はキィウィ シューポリッシュよりも数百円高いですが、他のメーカーのワックスと比べれば決して高額ではありません。

残念なことに生産が終了しているようなので、買うのなら今のうちです!

参考:【悲報】KIWIのワックス、パレードグロスって生産終わってるってご存知?

早く綺麗に仕上げたいなら、サフィール ノワール ミラーグロス

とにかく早く綺麗に仕上げたいという方には、サフィール ノワール ミラーグロスがおすすめです。

プロに愛されるシューケア用品を幅広く展開するサフィール ノワール。

さすがはプロ仕様、短い時間でピカピカにすることができます。

また、仕上がりも本当に鏡のように光り輝きます!

高級感のあるパッケージも魅力です。

他のワックスに比べるとすこし値が張りますが、内容量が他のワックスに比べて多いです。

そんなにすぐに使い切るものでもないので、せっかくだから高級品を、という方はぜひ使ってみてください!

クリームの使い方

最後に、クリームの使い方をご紹介したいと思います。

「ワックス」は、他の 2 つクリームと使い方が異なります。ワックスの使い方については、別の記事「革靴をピカピカに輝かせる鏡面磨き(ハイシャイン)の方法とその落とし方」で解説しています。

ここでは「乳化性クリーム」と「油性クリーム」を使った手入れの方法を解説します。

準備するもの

まずは、クリーム以外で必要になる道具をご紹介します。

シューキーパー

靴の形が崩れないようにするためにシューキーパーを用意します。

シューキーパーを靴の中に入れると、革がピンっと張ってクリームが塗りやすい状態になります。

馬毛ブラシ

一日履いたあとの靴をよく見てみると、ホコリやチリなどがついているのがわかります。

クリームを塗る前に、これらのゴミを馬毛ブラシで払い落とします。

全体をブラッシングするので、しっかり持つことができる大きいブラシがおすすめです。

クリーナー

馬毛ブラシだけでは落としきれない細かいゴミや汚れを拭き取るために、クリーナーを使います。

革を痛めることなく汚れを落とすことができるモゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。

ペネトレィトブラシ

ペネトレィトブラシは、クリームを塗るための小さいブラシです。

手を汚すことなくクリームを使えるので、とても重宝します。

豚毛ブラシ

ペネトレイトブラシで塗ったクリームを全体に均一に伸ばしていくために、豚毛ブラシを使います。

豚毛は馬毛に比べて毛先が固いので、クリームを薄く均一に行き渡らせることができます。

布はクリーナーで汚れを拭き取るときと、最後の仕上げに磨くときに使います。

使い古した T シャツなどでも代用可能です。

手順

クリームは以下の手順で使用します。

  1. シューキーパーを入れる
  2. 馬毛ブラシでホコリを落とす
  3. クリーナーで汚れを拭き取る
  4. クリームを塗る
  5. 豚毛ブラシでクリームをなじませる
  6. 布で磨く

実際にクリームが登場するのは、4 番目以降のステップですが、その前に革の表面のゴミや汚れを落としておきます。

そうすることで、クリームの保湿効果が高まり、また仕上がりもきれいになります。

1. シューキーパーを入れる

最初に、手入れの邪魔になる靴紐をはずして靴の中にシューキーパーを入れます。

形がしっかりと保たれるので手入れがしやすくなります。

また、シューキーパーにはアウトソールの反りを矯正し、靴の形をきれいに保っておく効果があるので、手入れが終わった後も入れたままにしておきます。

2. 馬毛ブラシでホコリを落とす

次に馬毛ブラシで靴についているホコリを払い落とします。

コバ周り(ソールが側面に出っ張っている部分)や縫い目などはホコリがたまっているので、入念にブラッシングしましょう。

足の甲に当たっている「ベロ」と呼ばれる部分にもホコリがたまりやすいので、ブラッシングします。

靴のデザインによってはベロをブラッシングできないこともあります。その場合は、次の手順の「3. クリーナーで汚れを拭き取る」で汚れを取るようにします。

3. クリーナーで汚れを拭き取る

ブラシでは落としきれない細かな汚れをクリーナーで拭き取ります。

指に布を巻き、10 円玉の大きさくらいに染み込ませます。

ゴシゴシすると革が傷んでしまうため、やさしくなでるように靴を拭きます。

1 度クリーナーを取っただけでは全体を拭ききれないので、2 〜 3 回に分けて全体を綺麗にします。

4. クリームを塗る

いよいよ、クリームの出番です。

ここで使用するのは、乳化性クリームです。

下記の写真を目安に、ペネトレィトブラシにクリームを取ります。

靴に塗り込みます。

一度では全体に塗りきれないので、2 〜 3 回クリームを取って全体に塗ります。

羽の部分も忘れないように塗りましょう。

5. 豚毛ブラシでクリームをなじませる

次に、豚毛ブラシでブラッシングしてクリームをなじませます。

少し力を入れて強めにブラッシングするのがコツです。

ここまで終わると、少しだけ艶が出てきます。

6. 布で磨く

最後に、布で磨きます。

これで完了です!

さらにツヤを出すために油性クリームを使う場合は、乳化性クリームを塗るのと同じ要領で「手順 4. クリームを塗る」から「手順 6. 布で磨く」までのステップを繰り返します。

また、一連の手順を動画でまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

革靴クリームを使う頻度

乳化性クリームは、月に 1 回ほど使えば十分です。

油性クリームとワックスは、時間が経つと光沢が弱くなってくるので、何となくツヤがなくなってきたなぁと感じたタイミングで塗れば OK です。

また、ワックスを使った鏡面磨きは、革の表面をがっちりとロウでコーティングするので、そのままにしておくとワックスの下で革が乾燥してきます。

2 〜 3 ヶ月に一度はクリーナーでしっかり落として、乳化性クリームで革に水分と油分を与えるようにしましょう。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

どのクリームを選べばいいか分からないという方に、この記事がお役に立てば嬉しいです。

ベテランの方でも、この記事で紹介しているなかで使ったことがないクリームがあればぜひ試してみてください!

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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