5 つの靴クリーナーを徹底比較!おすすめのクリーナーはコレや!

「しまった、コーヒーこぼした!」
「あっ、ラーメンの汁が飛んじゃった!」

革靴に汚れがつくのは、日常茶飯事です。気をつけているつもりでも、気がついたらシミができている、なんてことはよくあります。

そんなときに、汚れをしっかり落としてくれる心強い味方「クリーナー」。

一番有名な革靴用クリーナーといえば、モゥブレィのステインリムーバーでしょう。プロの靴磨き職人から、趣味で靴磨きを楽しむ人まで、皆に愛される商品です。

ですが、世の中にはステインリムーバーだけではなく、さらに強力に汚れを落とすクリーナーも存在します。

そこで今回は、モゥブレィのステインリムーバーを始め、いろいろなクリーナーで実際に汚れを落としてみて、どの汚れにどんなクリーナーが向いているのか検証してみました。

さらに、その検証結果を踏まえたおすすめクリーナーなどもご紹介したいと思います。

クリーナーって何に使う?

クリーナーは、名前の通り汚れを取るために使います。

細かいホコリやチリなどは、ブラッシングだけで落とすことができます。

しかし、表面に付着して固まってしまったホコリ、ブラッシングでは落としきれないほど細かいチリ、古いクリームやワックス等はブラッシングでは落としきれません。

このブラッシングでは落としきれない汚れを落とすには、クリーナーの力を借りる必要があります。

汚れを落とすことは、靴を綺麗に見せるためだけではなく、他にもたくさんのメリットがあります。

たとえば、事前に汚れを落としておくことで、クリームの効果を高めることができます。細かいゴミや古いクリームが表面にべっとりついていると、これらの汚れがクリームを弾いてしまい、革への浸透を妨げてしまいます。

また、表面のゴミを取ることで革の通気性をよくする効果も期待できます。革は、靴の中の湿気を吸収して放出する役割を果たします。古いクリームやワックスがついていると、汚れがバリアになって湿気を外に放出できなくなるのです。

湿気が放出できず靴の中にこもると、臭いやカビの原因になります。

クリーナーを使ってしっかり汚れを落とすことは、このように革靴にさまざまな効果をもたらしてくれます。

よくある革靴の汚れ

この記事では、実際に革に汚れをつけてみて、クリーナーを使ってどれだけ汚れが落ちるのかを検証します。

汚れにもいくつか種類があるので、よくあるタイプの汚れを 2 つに分類しました。

1 つ目は「日常汚れ」。これは、日常的に手入れをする上で自然とついてしまう汚れで、主に古いクリームやワックスを想定しています。

2 つ目は「ハプニング汚れ」。ハプニング的につく汚れで、コーピーをこぼしたり、ラーメンの汁を飛ばしたりして付いてしまうシミ等を想定しています。

「日常汚れ」を落とすことができれば、普段の手入れで使う汚れ落としに向いているクリーナーと言えるでしょう。一方、「ハプニング汚れ」を落とすことができれば、もしものときに使える助っ人的なクリーナーとして活躍してくれそうです。

それぞれ代表的な汚れを革の端切れにつけて、クリーナーで取れるのかどうかやってみます。

日常汚れその 1:クリーム

まずは、靴の手入れで必ずと言っていいほど使用する、乳化性クリームです。

以前の手入れで塗った古い乳化性クリームを落とすのは、クリーナーの大事な役目です。

汚れの再現として、サフィールの乳化性クリームを端切れに塗り込みます。無色だと分かりづらいので、今回はバーガンディーカラーを使用します。

乳化性クリームには、ロウなどの油性原料が含まれていますが、成分量はそれほど大きくありません。これを綺麗に拭き取ることができれば、細かなホコリやチリなども同様に拭き取れると考えていいでしょう。

日常汚れその 2:ワックス

もう一つの日常汚れは、靴磨きに使用するワックスです。

古いクリームと同様、古いワックスを落とすのもクリーナーの役目です。

汚れの再現として、モゥブレィのダークブラウンのワックスを端切れに塗り込みます。

ワックスは乳化性クリームに比べてロウの濃度が高いので、この汚れを落とすことができれば、油性クリームの汚れ落としにも使えそうです。

ハプニング汚れその 1:コーヒー

ハプニング汚れの 1 つ目は、コーヒーのシミです。

コーヒーに含まれる成分が革に沈着すると、シミになってしまいます。

私はコンビニのホットコーヒーをよく買います。一度、「ブフォッ!」と吹き出してしまい、革靴にバッサリとかかって焦ったことがありました。幸い、そのときはすぐに拭き取ったのでシミにはなりませんでした。

たとえ、すぐに拭き取れずにシミになったとしても、どのクリーナーで落ちるか分かっていれば安心です!

雨染みもコーヒーのシミと同じ原理でできるので、コーヒーのシミが落ちれば雨染みも落とせそうです。

ハプニング汚れその 2:油

ハプニング汚れの 2 つ目は、油のシミです。

少々やりすぎ感はありますが、サラダ油を革にそのまま垂らします。

実生活でサラダ油が靴についてしまうなんてことは、革靴を履いて料理などしない限りはないと思います。

ですが、ラーメンを食べているときに飛んだ汁には油が含まれていますし、それ以外でも気づいたら油のシミっぽいものが革靴についている、ということがあります。(私だけでしょうか…)

今回どのクリーナーで油のシミが落ちるのか、試してみたいと思います。

これら 4 つの汚れを再現したのが、こちらです。

上から、クリーム、ワックス、コーヒー、油です。

クリームとワックスはカピカピに乾いています。

コーヒーはミルクが結晶化して白くなっています。笑

油は革の繊維深くに浸透し、濃いシミになっています。

検証するクリーナー 5 種

それでは、今回汚れ落しに挑戦するクリーナーをご紹介します!

だれでも持っているであろう、定番のモゥブレィ ステインリムーバーや、汚れ落としと保湿ができるスグレモノ、超強力に汚れを落とすとウワサのクリーナーなど、 5 つの商品を選抜しました。

ちなみに、ここで使用しているクリーナーは全てスムースレザー用です。スエードやヌバック、爬虫類などのエキゾチックレザーには使用できませんので、ご注意ください。

1. モゥブレィ ステインリムーバー

1 つ目は、モゥブレィのステインリムーバーです。

革靴の汚れ落としの商品のなかで、一番有名なクリーナーでしょう。

パッケージには以下のように書かれています。

  • 軟水をベースとした水性の洗浄剤なので、革に優しくソフトな仕上がりになる
  • 防カビ剤を配合している
  • ベタつきが少なく、サラッと仕上がる

匂いはほとんどなく、ふわっと薬品の香りがする程度です。

2. コロンブス ブートブラック ツーフェイスレザーローション

2 つ目は、ブートブラックのツーフェイスレザーローションです。

写真では分かりませんが、水と油のように液体が 2 層に分かれているので、よく振ってから使用します。

パッケージには以下のように書かれています。

  • 油性汚れを落とす層と水性汚れを落とす層で分かれている
  • 2 層を混ぜて使うことで、油性、水性の区別がつかない汚れも落とすことができる
  • 乾燥が早く、サラッと仕上がる

こちらも匂いはほとんどありません。ふわっと制汗剤のようないい香りがします。

3. サフィール ユニバーサルレザーローション

3 つ目は、サフィールのユニバーサルレザーローションです。

パッケージには以下のように書かれています。

  • ビーズワックスとホホバ油を主成分とした、マイルドなレザーローション
  • 汚れ落としや、皮革に栄養と柔軟性を与える効果がある
  • 劣化やひびから革を守り自然な光沢を与える

このレザーローションは、汚れ落としだけではなく、保湿とツヤ出しが同時にできるという便利なローションです。

靴だけでなく、他の革製品にも使用できるようです。

香りは、ツンとする薬品の甘い香りです。

汚れ落としがメインの商品ではないですが、実際どれぐらい汚れを落とせるのでしょうか。

4. サフィール ノワール レザーバームローション

4 つ目は、サフィールノワールのレザーバームローションです。

パッケージには以下のように書かれています。

  • ビーズワックスベースのマイルドなレザーローション
  • 汚れ落としや、皮革に栄養と柔軟性を与える効果がある
  • 劣化やひびから革を守る
  • ミンクオイルを配合し、保革性能を高めている

こちらのローションも、汚れ落としだけではなく、保湿とツヤ出しができるタイプのものです。上のユニバーサルレザーローションとは異なり、ミンクオイルが配合されているようです。

ツンとする薬品の甘い香りがします。

こちらも、汚れ落としがメインの商品ではありませんが、汚れを落としの性能はいかほどか、実際に試してみましょう。

5. サフィール レノマットリムーバー

最後は、サフィールのレノマットリムーバー。強力な汚れ落としとして有名です。

パッケージには以下のように書かれています。

  • 皮革につた汚れやシミを強力に落とす
  • ワックスや塩ふき、カビなどを取り除く
  • 引火性が高く、火気厳禁
  • 吸引すると有毒のため、換気のいいところで使用する必要がある

有毒なので本当はダメですが、ちょっと嗅いでみたら、かなり強くツンッとする薬品の匂いがしました。真似はしないようにしましょう!

いざ、検証!

それぞれのクリーナーで、汚れをつけた革を拭いてみます。

ネル生地にクリーナーをつけます。
地道に拭いていきます。

以上の作業を繰り返します。

すべての作業が終わった写真がこちらです!

結果と感想

クリーナーで汚れを拭き取ったあとの端切れの写真を並べてみました。

写真だけでは分からない部分もあるので、それぞれ使用感をレビューします。

1. モゥブレィ ステインリムーバー

乳化性クリームはしっかりと落とせた感じがしました。ワックスは、表面のロウ成分は拭き取れたものの、革に染み込んだ成分は少し残っています。

コーヒーは、ミルクの結晶は取れたもののシミは残ったまま。油汚れには全く効果がありませんでした。

拭いたあとは、比較的さらっとした仕上がりで、「水性で革に優しい」といううたい文句も納得です。

2. コロンブス ブートブラック ツーフェイスレザーローション

クリームとワックスは、よくみると少しだけ跡が残っており、100% は取りきれていないようですが、古いクリーム、古いワックスであれば、十分綺麗に落ちそうです。

コーヒーのシミも、すっかり綺麗になりました!

油のシミは、輪郭がぼやける程度で落ちはしませんでしたが、小さなシミであれば、目立たなくする効果が期待できます。

写真では分かりませんが、かなり強力なクリーナーのようで、ゴシゴシすると革の顔料を少し溶かしました。

ステインリムーバーや他のクリーナーは、革の表面を拭き取るイメージです。こちらは、どちらかというと、革に浸透して汚れを浮かしているような印象を受けました。革に浸透している分、乾くのに時間がかかりました。

3. サフィール ユニバーサルレザーローション

クリームはしっかり落ちましたが、ワックスはあまり落ちませんでした。

コーヒーのシミは少し薄くなる程度でしたが、ステインリムーバーに比べると綺麗になります。油のシミには効果はありませんでした。

保革も兼ねているためか、革にとても優しそうな、滑らかな使い心地でした。

4. サフィール ノワール レザーバームローション

ユニバーサルレザーローションと同じく、クリームはしっかり落ちましたが、ワックスはあまり落ちませんでした。

コーヒーのシミはかなり綺麗に拭き取ることができました。油のシミには効果はないようです。

ユニバーサルレザーローションと同じく、保革も兼ねているので、革にとても優しそうな滑らかな使い心地でした。

5. サフィール レノマットリムーバー

クリームはしっかりと落ちました。ワックスは、若干跡が残りますが、ほとんど落ちています。

コーヒーのシミや油のシミには大きな効果は見られませんでした。

「かなり強力!」という割には、案外しっとりとした仕上がりになりましたが、使い続けると革にダメージがあるかもしれません。

そして、匂いがかなりキツいです!

おすすめのクリーナー

クリーナーの種類、値段(Amazon 2018 年 4 月時点)、汚れの落ち具合を表にしてみました。

クリーナー 値段 クリーム ワックス コーヒーのシミ 油のシミ
1. モゥブレィ ステインリムーバー ¥2160(300ml)
2. コロンブス ブートブラック ツーフェイスレザーローション ¥1080(100ml)
3. サフィール ユニバーサルレザーローション ¥1620(150ml)
4. サフィール ノワール レザーバームローション ¥1944(125ml)
5. サフィール レノマットリムーバー ¥1620(100ml)

今回試したなかでは、「2. コロンブス ブートブラック ツーフェイスレザーローション」が最も幅広く汚れを落とすことができました!

ただ、一つ注意しておきたいのが、洗浄力の強いクリーナー = おすすめのクリーナーではないということです。

今回の検証を通して感じたことは、洗浄力が強いほど革に悪い影響がありそうだということです。

乾燥は革の大敵です。洗浄力が強いと革に含まれる油分まで落としてしまうのか、使用後により乾燥しやすいと感じました。また、洗浄力が強いクリーナーでゴシゴシすると色(顔料)まで落としてしまいかねません。

したがって、どんな汚れを落とす万能のクリーナーを使うよりも、必要最低限の汚れを落とすクリーナーを目的にあわせて使い分けるほうが靴にとってはよさそうです。

では、これを踏まえて、おすすめのクリーナーを発表したいと思います!

日常汚れ向きのオススメその 1:モゥブレィ ステインリムーバー

日常的な手入れのクリーナーとしては、やはり大定番ともいえるモゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。

今回の検証でもクリームはしっかり落ちましたし、塗ってしばらく経った古いワックスであれば、このステインリムーバーで十分拭き取ることができます。

乾くのが比較的早く、乾くのを待つ時間が短くて済みます。要領よくチャチャッと綺麗したい方にも向いています。

ただし、保湿する成分は含まれていないので、使用後はクリームでケアする必要があります。

この記事で紹介しているのは容量が 300ml の大きいタイプですが、容量が小さい 60ml のタイプもあります。頻繁に使用するクリーナーなので割安な 300ml がおすすめですが、お試しで使ってみたいという方は 60ml のタイプを購入されてもいいかもしれません。

日常汚れ向きのオススメその 2:サフィール ユニバーサルレザーローション

汚れ落としと革の保湿を一度にやってしまいたい方には、サフィールのユニバーサルレザーローションがおすすめです。

汚れを落とす効果は、他のクリーナーに比べて弱いですが、使用後のカラッとした感じがなく、しっとりとした仕上がりになります。

クリームはしっかり落ちますが、油性の汚れにはあまり効果がないので、普段の手入れでワックスや油性クリームを使用している方は物足りなく感じるかもしれません。

革靴だけでなく、他の革製品にも使用できるので、レザーグッズをたくさん持っている方にもおすすめです。

代用として、サフィールノワールのレザーバームローションもあります。

ユニバーサルレザーローションに比べて値段は高いですが、ミンクオイルが含まれています。ミンクオイルは、革を柔らかくする効果があるので、比較的新しくて硬い靴やワークブーツなどは、サフィールノワールのレザーバームローションの方が向いているでしょう。

日常汚れ向きのオススメその 3:サフィール レノマットリムーバー

革靴についた頑固な汚れを落としてサッパリしたい!という方には、サフィールのレノマットリムーバーがおすすめです。

古いワックスやシミ(コーヒーなど)で汚れきった革靴をスッキリさせるには、さらっと汚れを落とすステインリムーバーには少々荷が重そうです。

そんなときは、このレノマットリムーバーを使えばしっかり汚れを落とすことができそうです。

値段が高いこと、毒性があるため風通しが良くないと使用できないことなどを考えると、一つ持っておいて「ステインリムーバーじゃ落としきれないな…」と思ったタイミングで使うぐらいが、ちょうどいいでしょう。

ハプニング汚れ向きのオススメ:コロンブス ブートブラック ツーフェイスレザーローション

コーヒーやちょっとした油のシミを取りたい方は、コロンブスのツーフェイスレザーローションもおすすめです。

今回の検証では、油のシミを完全に取り切ることはできませんでしたが、小さなシミであれば輪郭をボカして目立たなくできます。

クリームやワックスもしっかり落とすことができるので、一回革靴をスッキリすっぴんにしたいなぁ、という時にもおすすめです。

ただし、ゴシゴシすると色が落ちてしまうかもしれませんので、使い方に注意が必要です。

革に浸透して汚れを浮かすので、乾くのに比較的時間がかかります。使用後は十分に乾かすようにしましょう。

かなり強力な洗浄力があるようで、乾いた後は革がカラッとする印象です。乾いた後には、しっかりとクリームを塗り込む必要がありそうです。

頻繁に使用するのは革に良くないので、数ヶ月に一度くらいでちょうどいいかもしれません。

この記事で使用しているのは 100ml のタイプですが、大容量の 300ml のタイプもあります。

シミなどのハプニング汚れに使用することを考えると、使用頻度はそれほど高くないので、100ml で十分だと思います。ただ、大容量のほうが割安なので、たくさん革靴を持っている方には 300ml のタイプでもいいかもしれません。

おわりに

ひとくくりでクリーナーと言っても、メーカーや商品によって、落ちる汚れと落ちない汚れがあることが分かりました。これで、どんなときにどのクリーナーを使えば良いのか、一つの指標になったと思います。

上でも触れましたが、今回いろいろと試してみて、洗浄力が強いほど革に悪い影響がありそうだと感じました。

「この汚れは、どれで落ちるんだ?」と悩み、いきなり強いクリーナーでゴシゴシすると色が落ちてしまうかもしれませんので、はじめは洗浄力が弱いものから試してみることをおすすめします。

また、レザーの種類によってはクリーナー自体がシミとなってしまう場合があるので、必ず目立たないところから使用するようにしましょう。

革靴の汚れが気になる方に、この記事が役に立てば幸いです。

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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