革靴用のクリームの色の選び方、クリームの使い方と落とし方の解説

革靴用のクリームは、無色のものと色付きのものがあります。

このブログでは基本的に無色のものをオススメしていますが、色落ちや傷を目立たなくしたいときは、色付きのクリームが効果を発揮します。

ところが、いざ色付きのクリームを選ぼうとすると、色数が多く、なかなかコレといった色を決められないこともしばしば。

この記事では、色付きクリームの選び方から実際の使い方まで解説します。また、実際試してみてイメージと違ったときのクリームの落とし方などもご紹介します。

記事のなかで色の選び方も紹介していますが、それでも色選びに迷ったら、お気軽に靴の写真を添えてコメントください!合う色をご提案いたします。

色付きクリームの用途

色付きクリームは主に以下のような目的で使用します。

  • 色落ちをなくしたいとき
  • 傷を目立たなくしたいとき
  • 色むらを出したいとき

補色することで色落ちや傷を目立たなくしたいときや、あえて色むらをつけて雰囲気を出したいときに使います。

逆に、上記のような目的がなく、単に革の保湿をしたい等の場合は、基本的には無色のクリームがよいでしょう。

また、色付きクリームを使っても、元の靴の色を全く別の色に変えるほど着色することはできないので、その点はご注意ください。

色付きクリームの選び方

色付きクリームを選ぶ際は、まずクリームの種類を選んでから、色を選ぶようにすると好みのクリームが見つけやすいです。

順に詳しく解説します。

1. クリームの種類(乳化性か油性か)を選ぶ

まず、革靴用のクリームは大きく分けて「乳化性クリーム」と「油性クリーム」に分かれます。

それぞれ仕上がりに違いがありますので、どちらか好きなほうを選びます。

乳化性クリームは革の風合いを保つマット仕上がり、油性クリームは光沢のあるパリッとした仕上がりになります。

クリームの種類 仕上がり
乳化性クリーム 革の風合いを保ち自然な艶を出すことができる
油性クリーム パリッとした光沢を出すことができる

色落ちや傷を目立たなくしたり、色むらを出したりする上での効果の違いはあまりありませんので、ここは見た目の好みで選んでしまって構いません。

乳化性クリームにするか油性クリームにするか決めたら、具体的な商品選定にはいります。

それぞれ、私がおすすめするクリームを載せておきます。

おすすめの乳化性クリーム

乳化性クリームを選ぶなら、コロンブス ブートブラックシルバーラインがおすすめです。

プロ仕様のブートブラックを大衆向けに使いやすくした「ブートブラック シルバーライン」は、価格が安く、使いやすく、艶がでやすいのが特長です。

カラーバリエーションも豊富です。

おすすめの油性クリーム

油性クリームでは、サフィールノワールのクレム 1925 がおすすめです。

パリッとした光沢が人気で、靴磨きのプロの方も使用しています。価格は少し高いですが、週 2 〜 3 回使っても数ヶ月は持つので、奮発して買ってもいいと思います。

どちらか迷った方は乳化性クリームを

乳化性クリームにするか油性クリームにするか決めかねるときは、乳化性クリームを選びましょう。

乳化性クリームには、油性クリームにはない革に潤いを与える効果があります。

革は乾燥するとひび割れやすくなります。そのため、革靴を長く履くためには、乳化性クリームで定期的に潤いを与えることが大切です。

油性クリームを選ぶ場合は、別に無色の乳化性クリームを用意する必要がありますが、乳化性クリームを選べば、補色と潤いの両方の効果が得られます。

既に乳化性クリームをお持ちであれば、油性クリームを使ってみてもいいかもしれません。

2. 色を選ぶ

クリームの種類を選んだら、いよいよ色選びです。

用途によって色の選び方が異なるので、目的に合わせて色を選びます。

用途 色の選び方
色落ちをなくしたい or 傷を目立たなくしたい 靴の色と同じか少し明るい色
色むらを出したい 靴の色よりも濃い色

色落ちをなくしたい or 傷を目立たなくしたい場合は靴の色よりすこし明るめの色を、あえて色むらを出したいときには濃い目の色を選ぶのがポイントです。

それぞれ、私の持っている靴で例をまじえて解説します。

色落ちをなくしない、または傷を目立たなくしたい場合

色落ちをなくしない、また傷を目立たなくしたいときに明るめの色を選ぶ理由は、靴にクリームを塗ったとき、濃くなりすぎてかえって目立つのを避けるためです。

クリームを革に塗ると、革にクリームが浸透して元のクリームの色よりわずかに色が濃く見えるようになります。

したがって、塗ったときになるべく靴の色に近づくよう、若干明るめの色を選ぶようにします。

下の写真は、私の手元にある靴です。右側に、乳化性クリームと油性クリームそれぞれから合いそうな色をピックアップしてみました。

色むらを出したい場合

逆に、あえて色むらを出したいときは、濃いめの色を選ぶと雰囲気のある仕上がりになります。

ただ濃い色であればいいというわけではなく、赤系や紫系など同じ色合いで濃いめの色を選ぶようにします。

また、色むらをつけたい場合は、一度だけでなく何度も塗り重ねることでしっかりとむらがつくようになります。

下の写真のうち、右側の靴はダークブラウンのクリームをつま先に 5 回ほど塗り込んだあとの写真です。

写真では分かりづらいかもしれませんが、右側の方がつま先の色が濃くなっています。なんども色付きクリームを塗り重ねることで、徐々に色が変わってきます。

下の写真も私の手元にある靴です。右側に、乳化性クリームと油性クリームそれぞれから、色むらつけたいときに合いそうな色をピックアップしてみました。

色選びに慎重になりすぎなくても大丈夫です

ここまで色選びについて書いてきましたが、ぶっちゃけるとそこまで色選びに慎重になる必要はありません。

色付きクリームでできることは、あくまでも補色です。微妙に色が濃かったり薄かったりしても不自然な仕上がりになることはありません。

また、使ってみてイメージと違ったら、一度落として別の色を試すこともできます。この記事の一番最後にクリームの落とし方もご紹介しています。

慎重になりすぎず、色選びを楽しみましょう!

別の色のクリームを混ぜて新しい色を作る

欲しい色のクリームがない場合は、混ぜて新しい色を作るのもアリです。

試しに、 2 つのクリームを混ぜて、下の写真の靴に合う色を作ってみます。

靴の色は、薄い茶色と濃い茶色の中間で、すこしオレンジがかったような色なので、今回はセピアとライトブラウンを混ぜてみました。

筆とパレット(画用紙や新聞紙でも代用できます)を用意して、米粒 2 〜 3 つ分くらいのイメージで片方のクリームをパレットに載せます。

あとは、もう片方のクリームをすこしずつ混ぜていき、好みの色になるまで繰り返します。

写真ではクリームの色の方が少し濃く見えますが、実際に見るとかなり靴に近い色のクリームになりました。

カラーブレンダーというツールで、2 色を混ぜたときにどんな色になるか予想がつくので、混ぜる色に悩んだら参考にしてみてください。

また、ブランドや製品によってクリームの成分が異なるので、別種のクリームを混ぜると効能が変わってしまう場合があります。混ぜるときは同じ製品のクリーム同士を混ぜるようにしましょう。

色付きクリームの使い方

次は、色付きクリームを使い方を解説します。

色付きクリームを使う際は、服に色がついてしまうかもしれないので、エプロンを着けるか汚れてもいい格好に着替えます。

準備するもの

クリームのほかに以下のものを用意します。

  • 馬毛ブラシ
  • ペネトレィトブラシ
  • 豚毛ブラシ

これらの道具は、色付きクリームを使った手入れだけではなく、革靴を長く履くための手入れに欠かせない道具ばかりです。

まだお持ちでない方は、これを機に揃えておくといいかもしれません。

馬毛ブラシ

クリームを塗る前に、馬毛のブラシを使って靴についたホコリやチリを払い落とします。

全体をブラッシングするので、しっかり持つことができる大きいブラシがおすすめです。

ペネトレィトブラシ

クリームを塗るための小さいブラシです。

豚毛と馬毛のペネトレィトブラシがありますが、個人的には馬毛のものがおすすめです。馬毛の方が毛先が柔らかく、筆のような感覚で使用することができます。

豚毛ブラシ

ペネトレィトブラシでクリームを塗った後、全体に均一に伸ばしていくためのブラシです。

豚毛は馬毛に比べて毛先が固いので、クリームを薄く均一に行き渡らせることができます。

最後に余分なクリームを拭き取るのに使用します。

使い古した T シャツなどで大丈夫です。

手順

クリームを塗る手順は以下の 4 ステップです。

  1. 馬毛ブラシでホコリを落とす
  2. クリームを塗る
  3. 豚毛ブラシでクリームを伸ばす
  4. 布で余分なクリームを拭き取る

所要時間は、両足あわせて 10 分程です。

1. 馬毛ブラシでホコリを落とす

まず、馬毛ブラシでブラッシングします。

靴の表面にホコリや砂などが付いたままだと、クリームを塗るときに傷がついてしまったり、クリームがダマになって固まったりしてしまいます。

ガシガシとブラッシングして、しっかりゴミを払い落としましょう。

2. ペネトレィトブラシを使ってクリームを塗る

ブラッシングが終わったら、クリームを塗っていきます。

ペネトレィトブラシにクリームを取ります。

量の目安は下の写真ぐらいです。

ブラシにクリームを取ったら、靴に塗っていきます。

色落ちが気になっている場合は、全体に均一に塗ると色が整って綺麗に仕上がります。

傷が気になっている場合は傷がついている箇所に、色むらを出したい場合は色むらを出したい箇所に重点的に塗ります。

3. 豚毛ブラシでクリームを伸ばす

次は、豚毛ブラシでブラッシングします。

塗ったクリームを伸ばすようなイメージで、力を入れてブラッシングするのがコツです。

4. 布で余分なクリームを拭き取る

最後に、布で余分なクリームを拭き取ります。

これで終わりです。

右側が塗る前、左側が塗った後です。

クリームを塗った左側の靴の方が発色が良いのが分かります。

色付きクリームの落とし方

「色付きクリームを塗ってみたけど、すこしイメージと違った」という場合は、ステインリムーバーを使ってクリームを落とすことができます。

色むらを出すために何度も重ね塗りしている場合は、革に色が沈着していて落ちにくいかもしれません。

準備するもの

クリームを落とすには以下のものを準備します。

  • モゥブレィのステインリムーバー

ステインリムーバーは、比較的革に優しく汚れを落とすことができる革靴専用のクリーナーです。

手順

布を指に巻きつけて、クリーナーを取ります。

10 円玉くらいの大きさを目安に布に染み込ませましょう。

次に、クリームを塗った部分を拭いて、クリームを落とします。

ゴシゴシすると革の表面が痛んでしまうので、優しく拭くのがコツです。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

色付きクリームを使いたいけど、色の種類が多すぎてどれを選んでいいか分からないという方に、この記事が役に立てば幸いです。

もし色選びに迷ったら、写真と一緒にコメントをして頂ければ、靴に合った色のクリームをご提案しますので、お気軽にコメントください。

今まで無色のクリームしか使ったことがなかった方も、ぜひ色付きクリームを使ってみてください!

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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