カビや型崩れから守る!革靴の正しい保管の仕方と収納時のコツ

革靴を「正しく保管」していますか?

ブラシでホコリを落としたりクリームを塗って潤いを与えたりすることは、革靴を長く履く上で大切です。

しかし、履いていない間、正しく保管することもブラッシングやクリームを塗ることと同じくらい重要です。

なぜなら、革靴に起きる「カビ」や「型崩れ」は保管している間に起きてしまうからです!

正しく保管していないと、いざ履こうとしたときには形が崩れていて、内側も外側もカビだらけ!なんて事態になりかねません。

この記事では、革靴の正しい保管の方法を長期の場合と短期の場合に分けて解説します。

「正しく保管」しないとどのような問題が起きるのか

冒頭でも書いたとおり、革靴は正しく保管しないと「カビ」や「型崩れ」が起きます。

まずは、これらの問題が起きる原因を知っておきましょう。

問題その 1:カビ

カビは「高温」「多湿」「汚れ」の 3 つの条件が揃うと繁殖します。

夏場の下駄箱のなかの汚れた靴などはこの 3 つの条件が揃いやすいため、何も対策をしないとすぐにカビが発生してしまいます。

乾燥剤を近くに置いて「多湿」になるのを避けたり、保管する前にブラシやクリーナーで「汚れ」を落としたりして、3 つの条件が揃いにくい環境を作らなければいけません。

問題その 2:型崩れ

革には形状を記憶する性質があり、形が崩れたまま置いておくとその形になってしまいます。

靴は、歩くときに足の屈曲に合わせてグニャグニャと曲がります。

一日歩きまわると、靴のアウトソール(靴の地面に触れている部分)には反りグセがつきます。

反りグセがついたまま保管して型崩れが起きないよう、シューキーパーを入れて形を綺麗に保ちつつ保管しなければいけません。

長期の保管(1 ヶ月以上)

ブーツやローファーなどのシーズンもの、冠婚葬祭などでたまに履く靴などを長期で保管する場合は、これから説明する手順で保管することで「カビ」や「型崩れ」を防げます。

準備するものも多く、手順も多いですが、どうかお付き合いください。

準備するもの

準備するものは、ほとんどが普段の手入れにも使用するものです。

他の靴にも使えるので、まだお持ちでない方はこれを機にぜひ購入しておきましょう。

シューキーパー

まずは、形が崩れないようにするためにシューキーパーを用意します。

靴の形を綺麗に保つためには、靴のサイズに合っているシューキーパーでなくてはなりません。

革靴には欠かせないシューキーパーの選び方とおすすめ紹介」でシューキーパーの選び方を紹介しています。

これからシューキーパーを購入する方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、ロングブーツの場合は、くるぶしからふくらはぎにかけての部分の形が特に崩れやすいので、こちらのような専用のブーツキーパーを使用しましょう。

ブラシ

保管の前には、しっかり汚れを落としておく必要があります。靴についたホコリやチリを落とすため、ブラシを用意します。

ブラシは、馬毛のものが適しています。毛先がしなやかでホウキのようにゴミを払い落とせます。

力をこめてブラッシングするので、しっかりと握れるサイズのブラシを選びましょう。

クリーナー

クリーナーは、ブラシだけでは落としきれない細かい汚れを拭き取るのに使用します。

革を痛めることなく汚れを落とせるモゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。

クリーナーで汚れを拭き取るときに使います。

汚れ落とし専用のリムーバークロスという商品がありますが、使い古した T シャツでも代用できます。

除菌スプレー

細菌を殺し、カビの発生を防止する除菌スプレーを用意します。

いろんなスプレーがありますが、モゥブレイのモールドクリーナーがおすすめです。

除菌力が高い有機ヨードが主成分で、カビの表面を覆う細胞膜を壊して除菌するというスプレーです。

ただし、カビに特化したスプレーなので消臭効果はあまりありません。

臭いが気になる場合は、モゥブレィのシューフレッシュナーという除菌スプレーがおすすめです。

防カビ性はモールドクリーナーに劣るものの、消臭効果が高いです。

香りの種類も選べます!

箱は、靴を購入したときについていたものを用意します。

箱に入れて保管することで、カビの原因になるホコリなどの汚れがつきにくくなります。

箱を捨ててしまった場合は、ダンボールなど代わりとなるような箱を用意しましょう。

乾燥剤

乾燥剤は、箱の中に靴と一緒に入れておきます。

この記事では靴専用のこちらの乾燥剤を使用しています。

2 つの乾燥剤が 1 足分としてセットになっている商品です。

長期で保管する場合は 1 足に対して 1 つの乾燥剤で十分なので、余った場合は下駄箱に入れておくなどして有効活用しましょう。

保管の手順

必要なものを用意したら、早速保管の準備へいきたいところですが、その前に靴を 2 〜 3 日風通しのいい場所で乾かしておきましょう。

履いた直後は靴の中に汗が染み込んでしまっているので、湿度が高くカビが生えやすい状態になっています。

靴を十分に乾かしたら、以下の手順で保管の準備を進めます。

手順 1. シューキーパーを入れブラシで汚れを落とす

まずは、シューキーパーを入れ、汚れをブラシで落としていきます。

全体をガシガシと強めにブラッシングしましょう。

シューキーパーは保管の間もずっと入れておくので、ブラッシングが終わっても外さずにそのままにしておきます。

手順 2. クリーナーで汚れを落とす

クリーナーを使ってブラシでは落としきれない細かい汚れ、古いクリームやワックスを落とします。

布を指に巻いたら、クリーナーをよく振って布に染み込ませます。10 円玉くらいの大きさに染み込ませるのが目安です。

クリーナーを染み込ませた布で靴全体を拭きます。ゴシゴシすると革の表面が荒れてしまうので、優しく拭くのがコツです。

鏡面磨きをしている場合は、「革靴をピカピカに輝かせる鏡面磨き(ハイシャイン)の方法とその落とし方」の記事で紹介している方法で事前にワックスを落としておきましょう。

手順 3. 除菌スプレーを吹きかける

汚れを落としたら、次は除菌スプレーを靴に吹きかけます。

全体にまんべんなく液がかかるよう、3 〜 4 回に分けてスプレーしましょう。

一度シューツリーを外し、内側にもスプレーを吹きます。よく乾かしたら、再度シューツリーを入れます。

また、靴だけでなく箱にもスプレーを吹いておきましょう。

箱にも吹いておくことで、除菌・防カビ効果がアップします。

手順 4. 箱に穴を開けて通気性をよくする

靴を入れて保管している間に、湿気がこもらないように、箱に穴を開けます。

ドライバーやキリを使って、四方の面に 3 〜 4 箇所ずつくらい穴を開ければ十分です。

メーカー純正の箱に穴を開けるのに抵抗がある方は、代わりに市販の箱を使用しましょう。

手順 5. 乾燥剤と一緒に靴を箱に入れる

靴と乾燥剤を箱に入れます。

買った時についてくる靴袋(別名シューバック)には入れないようにしましょう。この袋は靴の湿度を高くしてしまうからです。

代わりに、靴同士がぶつかって傷がつかないように間に挟んでおきます。

また、靴紐はつけていても外してもどちらでも構いませんが、私は外した状態にしておきます。保管後、履く前に乳化性クリームで手入れをするので、そのときに邪魔にならないようにするためです。

ジップロックで密閉するとさらに効果アップ!

ジップロックに靴と乾燥剤を入れて密閉することで、カビの発生率をさらに抑えることができます。

ジップロックの中に革靴と乾燥剤を入れたら、乾燥剤の効果を高めるために空気をできるだけ抜いておきます。

密閉状態にするので、シューバックに靴を入れてしまっても構いません。

上の写真のような状態でシップロックごと箱に入れます。

箱に穴を開ける必要がないので、純正の箱に穴を開けたくない場合にも使える方法です。

手順 6. 箱をしまう

靴を入れた箱を下駄箱や押し入れにしまいます。

下駄箱や押入れは通気性が悪く、湿度と温度が高くなりやすい環境です。定期的に扉を開けて換気するようにしましょう。

もしくは、下駄箱や押入れに乾燥剤を置いておくだけでも効果があります。

しまう前に中身がわかる印を箱につけておく

靴を何足も保管していると「あの靴どの箱に入れたんだっけ?」とわからなくなることがあります。

靴の写真や付箋にメモして箱に貼っておくと、中身が一目でわかるので管理がしやすくなります。

簡単なスケッチを描いてもいいと思います。

保管が終わったら履く前にお手入れを

保管はできるだけ湿度の低い環境でおこなうため、長い間保管していると革自体も乾燥した状態になります。

乾燥した状態でそのまま履くと、最悪の場合革にヒビが入ってしまいます。

長期保管後に履く前には、乳化性クリームで保湿をおこなうようにしましょう。

短期の保管(数日〜数週間)

普段履いている靴についても、脱いだ後には汚れを落とし、シューキーパーを入れておくようにすると、靴はより長持ちします。

最初は面倒かもしれませんが、長期の保管のようにたくさん手順があるわけではありませんので、習慣にしてしまえばどうってことはありません。

準備するもの

最低限準備するものは以下の 2 つです。

シューキーパー

形が崩れないようにするためのシューキーパーです。

プラスチック製ではなく、吸湿性のある木製のシューキーパーがおすすめです。

ブラシ

靴についた汚れを落とすためのブラシです。

ホウキのようにササッと靴についたゴミを払い落とせる馬毛のブラシを用意しましょう。

保管の手順

手順は以下の 2 ステップです。

手順 1. シューキーパーを入れブラシで汚れを落とす

まずはシューキーパーを入れ、ブラシで汚れを落とします。

一日履いた後の靴には、意外にもホコリや砂などがついています。履いた後に毎回コツコツとブラッシングするだけでも、靴は断然長持ちします。

手順 2. 1 〜 2 日乾かす

ブラッシングを終えたら、下駄箱にしまう前に 1 〜 2 日(最低でも一晩)乾かします。玄関や部屋の中でかまいません。

人は一日で両足合わせてコップ一杯分の汗をかいているそうです。汗をたくさん吸収した靴は脱いだ直後は湿っています。

そのまま下駄箱にいれてしまうと、下駄箱の湿度が高くなり、カビの発生につながります。

靴の下にすのこか網を敷く

靴のなかで最もカビが生えやすい箇所は、底面(アウトソール)です。

乾かしている間、すのこや網を敷いて靴の底面の通気性を確保しておくと、よりカビが発生にしにくくなります。

下駄箱にも敷ければベストです。

手順 3. 収納する

1 〜 2 日乾かしたら、下駄箱に収納します。

下駄箱は定期的に換気(1 日 10 分程)できればベストです。

毎日家を出る 10 分前に換気するなど習慣化できれば申し分ないですが、難しい場合は、下駄箱の中に乾燥剤を入れておくだけでも防カビ効果があります。

同じ靴を続けて履かない

「履いた後 1 〜 2 日乾かすとすると、毎日同じ靴を履きたい場合はどうすればいいの?」と思われた方もいるかもしれません。

先ほども書いたとおり、靴は 1 日履くと汗を吸収して湿った状態になります。

これは一晩で乾く量ではないため、毎日履き続けると靴は常に湿った状態になり、カビの温床となってしまいます。

そうならないためにも、同じ靴を毎日履かず、2 〜 3 足をローテーションで履くようにすることが大事です。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

カビが生えたり型くずれしたりすると、履く気も失ってしまいます。大切に履き続けるには、磨いて綺麗に見せるだけではなく、カビや型崩れを予防することも不可欠です。

この記事を読んで、カビを予防しつつ革靴ライフを楽しんで頂けると嬉しいです。

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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