【革靴図鑑 No.27】17 歳のビスポークシューズ

この靴は、「17 歳のビスポークシューズ」というツイッターの企画で、ZinRyu / 靴師2.0@Zin_Ryu さんと共同で ITOMARU@ITOMARU15 さんへ製作した靴です。

シンプルなプレーントゥオックスフォード

今回製作したのは、シンプルなプレーントゥオックスフォードです。

製法はハンドソーン・ウェルト製法で、「フルハンドソーン」と呼ばれる伝統的な手縫いの製法で製作しました。

甲の部分からかかとまで革の切り返しがある「ロングヴァンプ」と呼ばれるタイプのオックスフォードで、甲からかかとまで伸びる線が特徴的なデザインです。

この靴は、一般的な靴よりも履き口を広くデザインしています。

履き口を広くして、着用時にクラシックな顔立ちに見えるように工夫しています。

「閂止め(かんぬきどめ)」と呼ばれる羽根の根元あたりにある補強のための縫い目は、「シャコ留め」という技法で縫い付けました。

手で縫う必要があるため手間のかかる技法ですが、ちょっとだけ靴の表情が豊かになります。

出し縫いのピッチは 12spi(1 インチにつき 12 針)です。

この出し縫いのピッチは細かければ細かいほど、ドレッシーで繊細な雰囲気になります。

12spi は比較的細かい方で、より繊細な雰囲気に仕上げています。

ヒールは、地面にかけてすぼまったように角度をつける「ピッチドヒール」です。

木型のバランスが崩れないように、すこしだけ角度がついています。

土踏まず部分は、「べヴェルド・ウェスト」という意匠を採用し、靴のシルエットが綺麗に見えるよう工夫しています。

アウトソールは、真っ黒に染め上げるカラス仕上げで、ウェスト部分には ITOMARU さんのイニシャル “i” を飾り釘でつけています。

この靴ができるまで

この靴の製作過程を紹介したいと思います。

デザイン

今回製作した靴は、ITOMARU さんが高校の卒業式に履く靴としてご依頼いただきました。

デザインは、卒業式の場にふさわしく、またその後も長く履き続けられるような、フォーマルで流行り廃りのないシンプルなデザインにしました。

ITOMARU さんが持つ靴のイメージを伺い、完成品の靴を絵に落としこんでいきます。

デザインのイラスト

仮縫い靴の製作

「仮縫い」は、ビスポークをする際におこなうフィッティングとデザインを確認する工程です。

仮縫いのための靴を作り、サイズ感やデザインのバランスを確認して修正点を見つけていきます。

木型の製作は ZinRyu / 靴師2.0@Zin_Ryu さんです。
靴のパーツひとつひとつの型を製作します。
型を使って革をひとつずつ切り出していきます。
ミシンで縫い合わせ、アッパーを作ります。
「釣り込み」という工程を経て、靴の形にしていきます。
完成した仮縫い靴を実際に履いてもらい、修正点を見つけます。

本製作

仮縫いが終わったら、木型や各パーツの型を修正して本製作に移ります。

まず、革を切り出していきます。
切り出した革を黒く染めていきます。
アッパーの製作が終わり、釣り込みの作業に移ります。
釣り込みが終わったあとの状態です。
その後、「ウェルト」と呼ばれるパーツを縁に縫い付けていきます。
アウトソールを貼り付け、出し縫いをします。
ヒールを積み上げて形を整えます。
アウトソールの表面を整えます。
黒染めしたあと、ワックスで綺麗に仕上げ、飾り釘をつけたら完成です!

ギャラリー

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 28 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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