「パティーヌ」と呼ばれる、革靴を色付けする技法をご存知でしょうか?
パティーヌは、革靴をキャンバスのように見立て手で少しずつ色を重ねて色味を表現する職人技です。
決して効率的な作業とは言えませんが、パティーヌがされた靴には深みのある独特な表情があります。
この記事では、パティーヌの良さが映えるホールカットの一足を紹介します。
Paul Parkman グレーパティーヌ ホールカット
Paul Parkman(ポールパークマン)は、トルコ発祥の革靴ブランドです。
トルコと聞いてもあまり革靴のイメージが沸かない方が多いかもしれません。
しかし、トルコはもともと遊牧民族だったこともあって革製品の生産が盛んに行われている国です。
イギリスやイタリアに比べると有名ではありませんが、高級な革靴を製造する靴メーカーも存在しています。
ポールパークマンは、パティーヌによる色付けを得意とするブランドで、さまざまな色鮮やかな革靴を多く取り扱っています。
この記事で紹介するのは、深みのあるグレーでパティーヌがされたホールカットシューズです。
色を幾重にも重ねることで、奥行きが感じられる色味をしています。パティーヌによる手染めでしか味わえない独特の表情です。
使用されているのはヨーロッパ産のカーフレザーで、近くでみるときめが細かく質の良さが見て取れます。
つま先は、ラウンドトゥとスクエアトゥを織り交ぜたような形状をしており、どちらかというとフォーマルな顔立ちです。
ホールカットは、装飾の少ないミニマルさが魅力のデザインです。
装飾が少ないぶん、色がより引き立っています。
ライニングやインソールにはボルドーの革が使用されており、脱いだときにもお洒落に見えるよう工夫されています。
この靴は「グッドイヤー・ウェルト製法」で作られており、履くほどに馴染んでくるのが特徴です。また、修理を繰り返すことで長く履くことができます。
アッパー(ソールから上側の部分)だけでなくソールも手染めで色付けがされており、ブラックに近いグレーをしています。
アウトソールには飾り釘がついています。飾り釘は、ソールの見た目を美しく見せるほか、擦り減りを軽減する効果もあります。
トルコ発の Paul Parkman(ポールパークマン)。ぜひチェックしてみてください!