「ロシアンカーフ」という革をご存知でしょうか?
ロシアンカーフは希少性が高く、一部のマニアからは「幻の革」と称されています。
なかなかお目にかかれない革ですが、ロシアンカーフを使った靴を手にする機会がありました。
この記事では、ロシアンカーフを使用したジョージ・クレバリーの一足を紹介します。
「ロシアンカーフ」とは?
ロシアンカーフとは、1786 年に沈没した船から発見された革です。
見つかったのはイングランドの南岸沖で、船が沈没してから約 200 年後の 1973 年に海から引き揚げられました。
トナカイが原皮と言われており、英語では「Russian Raindeer(レインディア = トナカイの意味)」と表記されます。
ロシアンカーフの最大の特徴は、革の表面に押されたひし形の模様です。
このひし形の模様が独特のオーラを生み出しています。
ロシアンカーフが製造されたのは 200 年以上も前で、その製造方法が伝わっていないことから再生産が不可能とされています。
さらに、200 年以上海に眠っていたことでシミや傷がついていることが多く、製品として使うことができる量に限りがあるそうです。
そのため、希少性が非常に高く「幻の革」と呼ばれているのです。
ジョージ・クレバリー ロシアンカーフを使用したビスポーク
紹介するのは、ロシアンカーフを使用したジョージ・クレバリーのビスポークです。
デザインは「アデレイド」という、アイレット周りが U 字型になっているデザインです。
土踏まずを大きく絞り込んだべヴェルト・ウェスト仕様で、ビスポークならではの綺麗なシルエットをしています。
つま先はジョージ・クレバリーのアイコンとも言えるチゼルトゥで、ドレッシーな雰囲気があります。
メダリオンは蝶々のようなモチーフで、可愛らしい印象です。
ロシアンカーフは約 200 年以上も海に眠っていたため、傷やシミ、ひび割れがあることが多いです。
しかし、この一足に使われているロシアンカーフには傷やシミなどが少なく、比較的綺麗です。
インソールにも同じようにロシアンカーフが使用されており、ビスポークならではの贅沢な一足です。
ロシアンカーフは現存している量に限りがあるため、今後価値がどんどん上がっていくものだと思います。
もし手にすることがあったら、コレクションしてみてはいかがでしょうか?