【革靴図鑑 No.16】Chukka Boots in the Wild 野生のチャッカブーツ

この靴は、なおやん【メローラ】靴磨き @ShoeshineUsdBro さんから依頼をいただいて制作した靴です。

ドレッシーさを意識したチャッカブーツ

今回製作したのはチャッカブーツです。延べ 100 時間ほどかけて製作しました。

ハンドソーン・ウェルト製法という伝統的な手縫いによる製法で作っています。

出し縫いと呼ばれるコバ周りのステッチも手縫いで、フルハンドソーンや十分仕立てとも呼ばれる作り方です。

アッパーには、黒の国産キップレザーを使用しました。

チャッカブーツはカジュアルな雰囲気がありますが、今回の製作ではフォーマルでドレッシーな雰囲気になるように工夫しました。

まず、出し縫い(コバのギザギザした部分)のピッチは比較的細かい #10(1 インチにつき 10 針)にしています。

出し縫いは、比較的細かい #10 で縫いました。

ピッチが粗ければ粗いほどカジュアルな見た目に、細かければ細かいほどフォーマルな見た目になります。

また、後ろから見たときのシルエットが綺麗になるようにピッチドヒールにしました。

ヒールに角度をつけたピッチドヒール。

ピッチドヒールとは、ヒールを地面に向かってすぼまった形状にする仕様です。かかとから地面にかけてのラインを流れるように見せることで、シルエットが華奢で美しくなります。

そして、アウトソールは全面を真っ黒に染め上げるカラス仕上げです。

アウトソールはカラス仕上げで、ウェストにはアベンジャーズのロゴを飾り釘で入れています。

左足のソールのウェスト部分にはアベンジャーズのロゴマークを飾り釘で入れています。釘を一本一本慎重に打ちこむ作業は時間がかかりましたが、楽しいひとときでした!

今回、コバのウェスト部分は角を落として丸くしています。

コバのウェスト部分は角を落とし、ヒールとコバには段差をつけています。

角を落とすことで、靴を斜めの角度から見たときにウェストが細くシルエットがすっきりとして見えます。

また、ソールとヒールのつなぎ目が段差になるように作りました。ビスポークでよく見られる仕様で、製作の途中で思い立ち今回初めて挑戦してみました。

思いのほか良い仕上がりになったので、これからも多用したいと思います!

この靴ができるまで

今回は、「仮縫い靴」と呼ばれるフィッティングやデザインを確認するための靴を作って実際に履いてもらい、修正を加えて一足を完成させる、という流れで製作しました。

今回使用した木型です。クセのないラウンドトゥの木型で、革を貼りサイズを調整しています。
黒の国産キップレザーに製作に必要となるパーツを書き出していきます。
革を切り出したあと、ミシンを使用してパーツを一つ一つ縫いつけます。
全てのパーツを縫い付けると、「アッパー」と呼ばれる靴の原型が出来上がります。
アッパーを木型の形に引き伸ばして成形します。「釣り込み」と呼ばれる工程です。
「仮縫い靴」というフィッティングを確認するための靴が出来上がりました!
実際に履いてもらい木型やデザインの修正点を靴に書き込みます。
仮縫いの結果をもとに木型やデザインを修正をします。
修正を加えたのち再度アッパーを作り、釣り込みます。
釣り込みが終わったあとのソール側です。引き伸ばした革にクセをつけるため、釘で固定しています。
「ウェルト」と呼ばれる細長い革のパーツを縫い付けていきます。「掬い縫い」と呼ばれる工程です。
アウトソールを貼り付け、先ほど取り付けたウェルトに縫い付けていきます。「出し縫い」と呼ばれる工程です。
薄い革を積み上げてヒールを作ります。
ヒールの形を整え、最後に色をつけて完成です!

ギャラリー

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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