【動画付き】ブーツの手入れ方法を靴職人がわかりやすく解説します

ブーツの手入れって、なんとなく面倒くさそうじゃありませんか?

履き口が高くてサイズが大きい分、手入れが大変そうです。

ただ、だからといって手入れをせずに放っておくと、もっと面倒なことになるかもしれません…!

ブーツは、普通の靴に比べて湿気がこもりやすいため、手入れをせずに放っておくと臭いやカビなどの問題も起きやすいです。

そこで、この記事ではブーツの手入れに必要なものから実際の手入れの手順までをできるだけ丁寧に解説したいと思います。(動画もあります!)

手入れが必要な理由

ブーツに限らず、革製の靴には手入れが不可欠です。

革にはもともと油分や水分が含まれていますが、時間が経つにつれて抜けていき、乾燥していきます。

乾燥が進むと、艶がなくなり、色もくすんでいきます。

柔軟性が失われ、もろくなるために、ひび割れなどの問題が起きることもあります。

革にとって乾燥は大敵なのです。

革に油分と水分を補給することで乾燥から守り、綺麗な状態に保っておくのが手入れの役割です。

毎日手入れをおこなう必要はありません。

月に 1 回ほどで十分です。

月に 1 回の手入れだけで、丈夫さが保たれ、艶も出て、綺麗な状態で長く履き続けることができます。

手入れに必要なもの

ブーツの手入れの前に準備しておくものをご紹介します。

  • アルコール除菌シート
  • ブーツ用シューキーパー
  • 馬毛ブラシ
  • ステインリムーバー
  • 乳化性クリーム
  • ペネトレイトブラシ
  • 豚毛ブラシ

「こんなに道具がいるの?」と思われるかもしれません。

ただ、ブーツも履き口の低いシューズも基本的に手入れの方法は同じなので、「ブーツ用シューキーパー」以外は一つ持っておけば他の靴の手入れにも使い回せます。

これを機に道具を揃えて、他の靴も一緒に手入れしてみてはいかがでしょうか。

アルコール除菌シート

まず、靴の中を綺麗にするためにアルコール除菌シートを用意します。

ブーツは湿気がこもりやすく、シューズやローファーに比べて雑菌が増えやすい環境にあります。

靴の内側を除菌シートで拭き、さっぱりと綺麗にします。

臭いが気になるときは、代わりに除菌・消臭スプレーを!

ブーツの嫌な臭いが気になるときは、除菌シートの代わりに除菌・消臭スプレーを用意しましょう。

ブーツの中は湿気がこもりやすいので、雑菌が増えて嫌な臭いもつきやすいです。

モゥブレイのナチュラルフレッシュナーという消臭・除菌効果のあるスプレーを使えば、靴の中を除菌すると同時に、消臭もできます。

香りの種類も選べるのでおすすめです!

ブーツ用シューキーパー

次に、靴の形を綺麗に保つためにシューキーパーを用意します。

靴は履き続けるとソールがどんどん反りかえってきて、グデンとしてだらしない印象になってきます。

このソールの反りを矯正するのが、シューキーパーの役割です。

ブーツの場合は履き口が高いので、くるぶし周りもほうっておくと形が崩れてきます。

ブーツ用のシューキーパーでおすすめなのは、PPF SELECT(ピーピーエフ セレクト)のハンドメイドのシューキーパーです。

吸湿性が高いレッドシダーという木材が使用されており、靴の中の湿気をよく吸い取ってくれます。

木材自体に殺菌効果があるので、入れておくだけで雑菌の繁殖を抑えて匂いを軽減できるのも嬉しいポイントです。

ちなみに、シューキーパーは手入れのときだけでなく、履いていないときは常に入れておくのが基本です。

馬毛ブラシ

靴の表面についたホコリやチリなどを払い落とすためのブラシを用意します。

馬毛のブラシは毛先が柔らかく、ホウキのようにササッとゴミを払い落とすことができます。

全体をブラッシングするので、しっかり持つことができる大きめのものがおすすめです。

ステインリムーバー

馬毛ブラシでは落としきれない細かなゴミをステインリムーバーで拭き取ります。

革を痛めることなく汚れを落とすことができるモゥブレィのステインリムーバーがおすすめです。

ステインリムーバーで汚れを拭き取る際に使う布です。

他にも、次に登場するクリームを塗ったり、手入れの仕上げに磨いたりするのにも使います。

汚れ落しから磨き上げまでできる靴専用のクロスが販売されていますが、もし自宅に使い古した T シャツなどがあればそちらを使ってもかまいません。

靴磨きに使用する布の種類と巻き方、万能布を安く用意する方法」で割安にたくさんの布を用意する方法をご紹介しています。

何足かまとめて手入れしたい、すこしでも安く済ませたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

乳化性クリーム

靴用クリームには大きく分けて「乳化性クリーム」と「油性クリーム」の 2 種類があります。

このうち油分と水分の補給ができるのは乳化性クリームです。

油性クリームは、主に艶出しを目的に使うクリームです。

革の乾燥を防ぐには、乳化性クリームのほうが効果が高いので、乳化性クリームを用意するようにしましょう。

おすすめの乳化性クリームは、モゥブレィのシュークリームジャーです。

ブーツは面積が広くたくさんクリームが必要になるので、コスパがいいのがおすすめポイントです。

基本的にはニュートラル(無色)のクリームを使います。

ただ、色落ちを目立たなくしたり傷を隠したりしたいときは色付きのクリームを使ってもかまいません。

その場合は、靴の色と同じかすこし明るい色のクリームを選ぶようにしましょう。

ちなみに、この記事では手近にあったモゥブレィ クリームナチュラーレ(ダークブラウン)を使用しています。

革靴にミンクオイルを使わないほうがいい理由

ミンクオイルを使用するのはあまりおすすめしません。

ミンクオイルは取り扱いが難しく、誤って塗りすぎるとシミになってしまったり、革が柔らかくなりすぎて型崩れしてしまったりすることがあります。

参考:革靴の手入れにミンクオイルを使うべきでない理由と 3 つの使いどころ

ペネトレイトブラシ

乳化性クリームを塗るのに使う小さなブラシ(ペネトレイトブラシ)です。

ペネトレィトブラシには、豚毛を使ったものと馬毛を使ったものがあります。

馬毛のほうが毛先が柔らかく、筆のような感覚で使用することができるので、個人的には馬毛のほうがおすすめです。

豚毛ブラシ

靴に塗ったクリームを均一に伸ばしてなじませるためのブラシです。

豚毛は馬毛に比べて毛先が固く、クリームを薄く均一に伸ばしなじませるのに適しています。

クリームの色が毛先についてしまうので、色付きクリームを使用する場合は色ごとにブラシを使い分けるようにしましょう。

ブーツの手入れの手順

今回手入れするのは、下の写真のブーツです!

革が乾燥していて艶がなく、色落ちして発色がよくありませんね。この章の後半で、手入れ前と手入れ後のブーツを比較してどのくらい綺麗になったかみてみます。

手順 1. アルコール除菌シートで内側を綺麗にする

まず、アルコール除菌シートで靴の内側を拭きます。

靴紐は邪魔になるので外しておきましょう。

つま先の奥の方やかかと部分、足の裏が当たるインソールなど全体を入念に綺麗に拭きます。

除菌・消臭スプレーを使う場合は、靴の中にスプレーを 2 〜 3 プッシュ吹いて 1 〜 2 時間ほどしっかりと乾かします。

手順 2. シューキーパーを入れる

内側を綺麗にしたら、シューキーパーを入れます。

シューキーパーを入れることで、ブーツの形を綺麗に保ちつつ、手入れもしやすくなります。

手順 3. 馬毛ブラシで汚れを払い落とす

次は、馬毛のブラシを使って靴についたゴミを払い落とします。

少し力を入れてブラッシングするのがコツです。

ブーツは、甲を抑える「タン」というパーツが長くホコリが溜まりやすいです。

タンもササッとブラッシングしておきましょう。

手順 4. ステインリムーバーでさらに汚れを落とす

次に、ブラッシングだけでは落としきれない汚れをステインリムーバーを使って落としていきます。

布を指に巻いてステインリムーバーを 10 円玉くらいの大きさに染み込ませます。

ステインリムーバーを染み込ませた布で靴を優しく拭きます。ゴシゴシすると革があれてしまうので、撫でるように優しく拭くのがコツです。

一度では全体の汚れを拭き取りきれないので、靴の甲の部分、右側、左側、かかと周り、ベロなど、順番にステインリムーバーを取って拭き取る作業を続けます。

手順 5. ペネトレイトブラシを使って乳化性クリームを塗る

汚れを綺麗さっぱり落としたら、乳化性クリームを塗っていきます。

乳化性クリームをペネトレイトブラシに下の写真くらい取ります。

クリームを靴に塗り込みます。一部分に塗りすぎないように薄く全体に塗るのがコツです。

ステインリムーバーで汚れを落としたときと同じように、靴の甲の部分、右側、左側、かかと周り、ベロと、順番にクリームをブラシに取って塗っていきます。

クリームを塗ると革の表面が少しマットな質感になります。全体のツヤがなくなれば、まんべんなく塗れているでしょう。

手順 6. 豚毛ブラシを使って乳化性クリームをなじませる

塗り込んだクリームを豚毛ブラシでなじませます。

力を入れて、クリームを伸ばすようなイメージでブラッシングするのがコツです。

ブラッシングをすると、クリームを塗ったあとのマットな質感がなくなり、すこしだけ艶が出てきます。

手順 7. 布で磨く

最後に、布で磨いてさらに艶を出していきます。

布を指に巻いて、すこし力を入れて拭きます。

全体に艶が出てきたら、手入れ完了です!

ビフォーアフター

下の写真は、手入れする前と手入れしたあとの靴の写真です。

手入れ前
手入れ後

手入れ前は艶がなく色も褪せていますが、手入れ後は艶が出て、発色も良くなっています。

清潔感もでて全然印象が違いますね!

手入れの手順は動画にもまとめています。道具の使い方などで困ったら、ぜひ参考にしてみてください!

ブーツの手入れの頻度

今回ご紹介したブーツの手入れは、月 1 回ほどの頻度でおこなうのが理想です。

また、1 日履いたらシューキーパーを入れてブラッシングするよう心がけましょう。

1 日履いた靴をよくみてみるとホコリや泥などがついているのが分かります。

ブラッシングをササッとするだけで靴が綺麗に見え、さらにカビを防止する効果も期待できます。

長期で収納する前に

ブーツを押入れなどに入れて長期保管する前にも、必ず手入れをするようにしましょう。

保管の方法を間違えると、次に履こうと思ったときはカビだらけになっているかもしれません!

カビや型崩れから守る!革靴の正しい保管の仕方と収納時のコツ」で、1 ヶ月以上の期間で保管するときのコツを紹介しています。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

今回は表面がツヤツヤしている「スムースレザー」という革でできたブーツの手入れ方法をご紹介しました。

スエードやヌバックなどの起毛した革の場合は、ちょっと違った道具を使って手入れしなければいけません。

スエード靴の手入れ方法とよくあるトラブルの対処法まとめ」で起毛した革の手入れ方法を紹介しています。

起毛革を使用したブーツを手入れする際は、参考にしてみてください。

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

SNS をフォローする

コメントはこちらから