ローファー歴 8 年が教える、ローファーのお手入れ方法と押さえておきたいポイント

ローファーのお手入れは、紐で締めるタイプの革靴と基本的には同じです。ただし、形が違う以上、ちょっとしたコツや押さえておくべきポイントがあります。

私はローファーが好きで、春夏秋冬履いています。そして、数えきれないほどローファーの手入れをしてきたなかで「紐靴と違って、ここはこうした方がいいな。」という点があることに気がつきました。

この記事では、私が気づいたちょっとしたコツや押さえるべきポイントを交えながら、ローファーのお手入れ方法を解説しようと思います(動画もあるよ)。

ローファーのお手入れで準備するもの

まずは、お手入れの前に準備しておくものをご紹介します。

ローファーの手入れに使うものは、紐靴の場合とほとんど同じですが、なかにはローファー専用におすすめしたいものもあります。「手入れ道具は一通り持ってるよ!」という方も、念のため見ておきましょう。

アルコール除菌シート

靴の内側を綺麗にするためにアルコール除菌シートを用意します。

私は 100 均に売っているものを使用しています。

シューツリー

アルコール除菌シートで内側を綺麗にした後、靴の中に入れます。

シューツリーは、クリームやワックスを塗る際に靴が型くずれするのを防止する役割があります。シューツリーを入れておくと、シワが伸びて、靴の形が保たれるのでクリームやワックスが塗りやすくなります。

☆ ローファーお手入れのコツ

紐靴の場合、手入れの際に靴の形を保つために、シューツリーの代わりに新聞紙をなかに詰める方もいらっしゃると思います。しかし、ローファーの場合は、履き口が広くて型くずれを起こしやすいため、新聞紙ではなく、シューツリーを使用するようにします。

さらにいうと、履き口のあたりまで甲を支えてくれるタイプのシューツリーが理想です。

写真左が甲を支えてくれるタイプのシューツリーです。写真右のようなシューツリーだと、甲の部分が支えきれず、手入れのときに甲に力が入りません。

馬毛ブラシ

靴の表面のホコリを落とすのに使用します。

豚毛ブラシなどに比べ、馬毛ブラシは毛先に柔らかさとコシがあるため、ホコリ落としに最適です。

ステインリムーバー

馬毛ブラシだけでは落としきれない、古いクリームやワックスを拭き取るのに使用します。

ステインリムーバーを塗るのに使用したり、仕上げとして表面を磨いたり、余分なクリームを拭き取ったりするのに使います。

使わなくなった T シャツなどでも大丈夫です。

乳化性クリーム

馬毛ブラシでホコリを落とし、ステインリムーバーで古いクリームやワックスを拭き取って綺麗になった革の表面に、保湿のためのクリーム(乳化性クリーム)を塗ります。

この記事では、乳化性クリームのなかでも浸透力の高いコロニルのシュプリームクリームデラックスを使用しています。

ペネトレイトブラシ

乳化性クリームを塗るのに使用します。布で塗っても構いませんが、ペネトレイトブラシを使うことで、手を汚さずに、まんべんなくクリームが塗れます。

豚毛ブラシ

革の表面に塗った乳化性クリームを均等になじませるのに使用します。

ローファーのお手入れの手順

それでは、実際のお手入れの手順を見ていきましょう。

1. アルコール除菌シートで内側を綺麗にして、シューツリーを入れる

まず、アルコール除菌シートで靴の内側を拭きます。

汗が染み込んでいるので、つま先やかかとの裏の部分、インソールなど全体を入念に綺麗にしましょう。

内側を綺麗にしたら、シューツリーを入れます。

右がシューツリーを入れている状態、左が入れていない状態です。シューツリーを入れると、シワが伸びてクリームが浸透しやすくなります。さらに、形を綺麗に保つ効果もあります。

☆ ローファーお手入れのコツ

ローファーは履き口が広く低いので、紐靴に比べて砂ぼこりなどが入りやすいです。より頻繁にアルコール除菌シートで綺麗にしておくと、永く綺麗に保つことができます。

「1. アルコール除菌シートで内側を綺麗にして、シューツリーを入れる」の動画

2. 馬毛ブラシでホコリを落とす

馬毛ブラシで全体をブラッシングして、ホコリを落とします。毛先でササッとホコリを落とすようなイメージで、優しくブラッシングしましょう。

特にコバの部分(アウトソールとアッパーの境目のホコリが溜まりやすい部分)は入念にブラッシングします。

☆ ローファーお手入れのコツ

写真のローファーはコインローファーと呼ばれ、甲に「ストラップ(帯状のパーツ)」がついているタイプのローファーです。

他にもタッセルローファーやビットローファーなどがあり、いずれもこの甲のパーツにホコリが溜まります。入念にブラッシングするようにしましょう。

「2. 馬毛ブラシでホコリを落とす」の動画

3. ステインリムーバーで汚れを落とす

指に布を巻きつけて、ステインリムーバーを10 円玉の大きさくらいに染み込ませます。

全体を拭いて、古いクリームやブラッシングでは取りきれないチリなどの汚れを落とします。

力を入れてゴシゴシしすぎると革に傷がついてしまうので、優しく撫でるように拭きましょう。

下の写真のように布が汚れたら、布の位置を変えましょう。

右側、左側、つま先、甲と順番に、ステインリムーバーを染み込ませて拭く、という動作を繰り返します。順序よく拭いていくことで、まんべんなく綺麗になります。

☆ ローファーお手入れのコツ

ローファーの場合は、履き口の裏側もステインリムーバーで綺麗にします。

履き口の周りは靴下と擦れたり、ホコリがついたりして汚れやすく、段々と変色してしまいます。一度シューツリーを外し、同じように布にステインリムーバーを染み込ませて、履き口を優しく拭きます。

「3. ステインリムーバーで汚れを落とす」の動画

4. 乳化性クリームで保湿する

乳化性クリームをペネトレイトブラシに取って、全体に塗ります。

一度に下の写真くらいの量で大丈夫です。

こちらも、右側、左側、つま先、甲と順番に、乳化性クリームを毛先につけて塗り込む、という動作を繰り返します。

☆ ローファーお手入れのコツ

履き口のパーツにも乳化性クリームを塗ります。ブラシでは塗りにくいので、布にクリームを取って入念に履き口周りに塗り込みます。

布に取るクリームの量は、ブラシの先端につけるのと同じくらい、表面にすこし付ける程度です。

履き口のかかと部分は、着脱時に力が加わります。乾燥している状態だと、力が加わったときにひび割れてしまうことがあります。しっかりと乳化性クリームを塗り込んで、十分に保湿しましょう。

ライニング(裏地に使用されている革)に乳化性クリームがついても問題はないので、慎重に塗る必要はありません。

「4. 乳化性クリームで保湿する」の動画

5. 豚毛ブラシで乳化性クリームをなじませる

豚毛ブラシでブラッシングして、全体に乳化性クリームをなじませます。

毛先の固い豚毛は、クリームを均一になじませてくれるのと同時に、余分なクリームを毛先で絡めとってくれます。

少し力を入れて強めにブラッシングすると、より効果があります。

「5. 豚毛ブラシで乳化性クリームをなじませる」の動画

6. 布で磨いて、艶を出す

最後に布で全体を磨きます。乳化性クリームに含まれるロウによって艶が出ます。

つま先とかかとを入念に磨くと、キラリと光って綺麗に仕上がります。

☆ ローファーお手入れのコツ

ローファーは、つま先とかかとだけではなく、甲の部分も入念に磨きましょう。

甲を磨いて光沢を出すことで、つま先、甲、かかと、と流れるような一体感のある輝きになります。

「6. 布で磨いて、艶を出す」の動画

ビフォー・アフター

これで完了です。

どちらがお手入れ後かは一目瞭然。

くすんでいた色の発色が良くなり、艶が出ているのがわかります。

左が綺麗にする前、右が綺麗にした後です。甲の部分もしっかりと輝いています。

着用後に毎回ブラッシングでホコリを落とすようにすると、綺麗な状態が長続きします。

毎日の簡単なお手入れについては、こちらの記事で紹介しています。

忙しい人のための簡単にできる革靴お手入れ術

おわりに

今回ご紹介した手入れを月に 1 回程おこなうようにすると、革の状態が保たれて、より永く履くことができます。

紐靴と比べると履いている人が少ないローファーですが、近年ではビジネスシーンでも受け入れられつつあります。また、ローファーは脱ぎ履きがしやすいので、靴を頻繁に脱ぐ日本の文化に適しているとも言えます。

初めてローファーを手入れする方、ローファーの手入れの仕方がイマイチ分からないという方のお役に立てば幸いです。

ローファー好きの私としては、履いたことがない方もこの記事を見て「ローファーにチャレンジしよう!」と思ってもらえると嬉しいです!

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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