革靴向けラバーソールの代表格「ダイナイトソール」を徹底解説!

革靴のソールには、いろいろな種類があります。

なかでも有名なソールといえば「ダイナイトソール」です。

ただ、「頻繁に耳にはするけど、ダイナイトソールがどんなソールなのかよくわかっていない」という方もなかにはいらっしゃるかと思います。

そこで、この記事ではダイナイトソールの特徴や、どんなときにダイナイトソールを選べばよいのかを詳しく解説したいと思います。

他のソールとの比較もしていますので、ダイナイトソールと他のソールで迷っている方もぜひご覧ください!

「ダイナイトソール」とは?

ダイナイトソールとは、イギリスのハルボロ・ラバー社が製造するゴム製ソールの名称です。

写真のようにサッカースパイクのような凹凸がついているのが大きな特徴で、なんと 1910 年ごろからほとんど形がかわっていないそうです。

そもそも、革靴のソールに使われる素材は大きく分けて「革」と「ゴム」の 2 種類があり、革でできたソールを「レザーソール」、ゴムでできた「ラバーソール」と呼びます。

上:レザーソール。下:ラバーソール

ラバーソールにもいろいろな種類がありますが、なかでも最も広く知られているのがダイナイトソールです。

トリッカーズ、エドワードグリーン、バーウィック、ジャランスリワァヤ、日本でもリーガル、山陽山長、大塚製靴などの数多くのブランドでダイナイトソールは採用されています。

ダイナイトソールに刻印されたロゴ

ダイナイトソールは単体でも販売されており、修理店に依頼することで既にお持ちの靴のソールをダイナイトソールに交換することもできます。

ダイナイトソールの 3 つの特徴

ここからは、レザーソールと比較してダイナイトソールの特徴を 3 つご紹介します。

1. 滑りにくい

まずは、なんといっても「滑りにくい」のが大きな特徴です。

レザーソールの靴は、雨や雪の日に履くとつるつる滑ります。

一方、ダイナイトソールはグリップ力が高く、雨でも雪道でも滑りにくいです。

ダイナイトソールはスパイクのような凹凸でしっかり地面をグリップしてくれます。

2. 摩耗しにくい

2 つ目の特徴は「摩耗にしくい」という点です。

ダイナイトソールはレザーソールに比べて耐摩耗性が高く、すり減りにくいです。

すり減りにくいと修理に出す回数が減るので、経済的です。

3. 履き馴染みが良い & 返りが良い

3 つ目の特徴は「履き馴染みが良い & 返りが良い」ところです。

レザーソールの靴の場合、履き始めは固さがあり、返りのクセがつくまでは歩き辛さを感じることがあります。

ダイナイトソールは履き始めから柔らかく、返りが良いです。

どんなときにダイナイトソールを選ぶべき?

ダイナイトソールの靴を履きたい場合、以下の 2 通りの選択肢があります。

  • ダイナイトソールが使われている新品の靴を購入する
  • 既にもっている靴のソールを修理店でダイナイトソールに交換してもらう

では、どんなときにダイナイトソールを選べばよいのでしょうか。

普段レザーを履いていて以下のようなことを感じる場合は、ダイナイトソール含めラバーソールの靴を検討してみてもいいと思います。

  • 雨の日や雪の日などに、足元が滑って危険に感じる
  • ソールのすり減りが早く感じる
  • 履き心地が固く、歩きづらく感じる

地面をしっかりグリップしてくれるので、多少の雨や雪であれば滑りにくくなります。

また、耐摩耗性が高いのですり減りも軽減されますし、返りがいいので履き心地も改善が見込めます。

ダイナイトソールと、その他のラバーソールの比較

これまでご紹介した特徴は、ダイナイトソールに限らずラバーソール全般にいえる特徴でもあります。

ここからは、ダイナイトソールを含めた 4 種類のラバーソールを比較してみます。

ダイナイトソール

評価項目 ポイント
ドレッシーさ ★★★★★
返りの良さ ★★★★☆
グリップ力 ★★★★☆
耐久性 ★★★☆☆

まずは、この記事で紹介した「ダイナイトソール」。

ラバーソールの代表的な種類で、もっとも良く見かけます。

ダイナイトソールは、ほかのラバーソールよりも薄いという特徴があります。

そのためソール周りがほっそりと見えて、ドレッシーな雰囲気になる特徴があります。

返りの良さやグリップ力は、ラバーソールのなかでも良いほうです。

ただし、耐久性は他のラバーソールに比べるとすこし劣ります。

ビブラムソール 2055

評価項目 ポイント
ドレッシーさ ★★★★☆
返りの良さ ★★★☆☆
グリップ力 ★★★☆☆
耐久性 ★★★★☆

次に紹介するのは、「ビブラムソール 2055」です。

ダイナイトソールとそっくりで、ボツボツした突起が底面についています。

ビブラムソールは、ダイナイトソールよりも厚みがあり、ややどっしりとした見た目になります。

返りの良さやグリップ力はラバーソールのなかでは中間くらいです。

ゴムが硬いので、耐久性はある印象です。

ちなみに、ダイナイトソールよりもビブラムソールの方が修理代金が 2,000 円ほど安くなります。

リッジウェイソール

評価項目 ポイント
ドレッシーさ ★★★☆☆
返りの良さ ★★★☆☆
グリップ力 ★★★★★
耐久性 ★★★★☆

次は、「リッジウェイソール」です。

ダイナイトソールと同じハルボロラバー社が作っており、底面に上の写真のようなモヤモヤとした模様が入っています。

ダイナイトソールやビブラム 2055 よりも厚みがあり、かなりどっしりとした印象になります。

リッジウェイは、田んぼと田んぼの間にあるような細いあぜ道という意味があります。

名前の通り、ぬかるんだ場所や山道といった足元の悪いところでも履けるような高いグリップ力があります。

耐久性もあるので、アウトドアで履く靴におすすめしたいラバーソールです。

コマンドソール

評価項目 ポイント
ドレッシーさ ★★☆☆☆
返りの良さ ★★★☆☆
グリップ力 ★★★★★
耐久性 ★★★★☆

最後に紹介するのは、「コマンドソール」です。

ゴツゴツした底面をしており凹凸も大きく、山道や岩場といったより険しい道を歩くことを想定して作られたソールです。

リッジウェイソールと同じく靴に重厚感がでるため、どっしりとしたカジュアルな雰囲気になるのが特徴です。

特に、コマンドソールはブーツに採用されることが多く、オールデンやトリッカーズで純正のソールとして採用されていることもあります。

コマンドには、「奇襲隊」や「ゲリラ隊」という意味があるので、もともとは軍隊用で開発されたのかもしれませんね。

個人的には、グリップ力や耐久性はリッジウェイソールと変わりがないように思うので、好みで選んでみるのがいいと思います。

ダイナイトソールの価格と修理のタイミング

さいごに、ダイナイトソールへの履き替えを検討される方に、価格と修理のタイミングについてお話します。

まず、価格についてですが、既にお持ちの靴をダイナイトソールに交換する場合の料金は15,000 円くらいが相場です。

新品の靴にダイナイトソールを付けるときも同じくらいの料金がかかるため、できればソールがすり減ったときのオールソール交換のタイミングで履き替えるのがいいかもしれません。

また、ダイナイトソールに履き替えた場合の修理のタイミングですが、**底面にある凹凸がすり減ったとき**が目安です。

すり減って凹凸がなくなったら、交換のタイミング

ソールの凹凸がなくなると、グリップ力がなくなるため滑るようになります。

底面の凹凸がなくなったら、あるいはグリップ力がなくなってきたなと感じたら交換するタイミングと思ってもらえばいいでしょう。

おわりに

ダイナイトソールは、グリップ力や吐き馴染みの良さに優れたソールです。

他のラバーソールに比べると厚みがないので、ドレッシーな雰囲気に仕上がるのもポイントです。

ただし、靴のデザインによっては他のラバーソールを検討してみてもいいと思います。

この記事で自分にあったソールを見つけてもらえると嬉しく思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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