【翻訳】靴について知っておくべき 10 のコト:パート 6

この記事は Justin FitzPatrick による The Shoe Snob Blog の記事 “THINGS TO KNOW ABOUT SHOES PART 6: 51-60” を翻訳したものです。翻訳を快諾してくれた Justin に感謝いたします。また、内容は多少の意訳を含んでおり、翻訳に際して私のミスがある可能性も十分にご了承ください。もし間違いがありましたら、Twitter 等でご指摘いただけると嬉しいです。


Vass の靴。Ascot Shoes より。画像:The Shoe Snob Blog

***最後の写真は例外ですが、それ以外の写真は投稿の内容と関係ありません。***

#51

この長いリストの 1 つ目は、靴のフィット感というのは主観的なものであるということです。これは個人的なレベルでは真実です。しかし、本当に靴がフィットしているというのは、手袋があなたの手を包み込むのと同じように、靴があなたの足を包み込んでいる状態を指します。そして、それは足のアーチの位置に左右されます(アーチの位置によってどれだけ支えを得られるかも変わります)。足やアーチの位置については標準があり、木型はその標準に基づいて作られます。もちろん、短いつま先で長いアーチの人もいれば、長いつま先で短いアーチの人もいるため、その標準が当てはまらない人もたくさんいます。

一方で、比較的標準的な足の人は、足の長さとアーチとのバランスが取れているはずです。つまり、木型のアーチと足のアーチの位置がぴったり合うはずです。ただし、大きすぎる、あるいは小さすぎる靴を履くと、アーチの位置がズレてしまい、さまざまな足の問題が起こります。大きすぎる靴を履くと、アーチに負荷がかかり過ぎて重大な問題が起きる可能性があります。小さすぎる靴を履くと、マメやタコができるなど、他にも多くのことが起こります。靴は感じるべきものです。ただし、足を上げたときに靴がぶらぶら揺れるように感じたら、その靴はフィットしていません。靴を感じてください。手袋を感じるように。

#52

キャップトゥにシワが入るのは、サイズが合っていないこと示す、というのは間違いです!キャップトゥにシワが入る原因は数多くありますが、サイズが合っていないということはそのうちの一つに過ぎません。革の切り出し方のせいだったり、あなたのつま先の長さだったり、あなたが靴の販売員で足のサイズを測る際に常に膝をついていたり、つま先の芯材が薄すぎたり、短すぎたり、他にも理由はたくさんあります。インターネット上の知ったかぶりの人たちは、初心者に間違った情報を与えないでください。ビスポークシューズは、これらの点がすべて考慮されています。よって、ビスポークシューズの場合のみ、キャップトゥにシワが入ったら、それはサイズが合っていないということになります!

クラシックキャップトゥ。J.FitzPatrick Footwear より。画像:The Shoe Snob Blog

#53

スエードとヌバックの物質的な違いは、毛足の長さだけです。実際には、2 倍以上の価格(タンナーから購入する場合)になりますが、私は 2 倍の品質があるとは思いません。400 ポンド以下で本当にヌバックが使用されている靴はほとんどありません。利幅が小さいからです。自社の工場を所有している大きなブランドだけは例外です。しかし、別の工場から購入して 400 ポンド未満のコストで作っているようなブランドはスエードを使っています。もし彼らがヌバックだと言うのであれば… 私の言いたいことはわかりますよね。

#54

1 級品の革と 3 級品の革の唯一の違いは、原皮にどれだけ染みや汚れがついているかです。これは、生涯にわたって健康で正しい食生活をしていた人間と、飲酒や喫煙をして運動を全くしなかった人間を比較するのと似ています。

#55

そういうわけで(#54 参照)それほど多くはないにしてもいくつかのハイブランドの靴メーカーは、タンナーから安い値段で 3 級品の革をまとめて買い占め、1 枚の革から 1 足分だけカットして残りの部分を捨てているという噂があります。そして、この噂は真実です。仮に 700 ポンドの靴を作るとしましょう。700 ポンドの靴を 1 足作るのに 1 枚の皮革全体を使い切ることはありません。したがって、1 級品の革を購入して 1 枚の革から 3, 4 足作るという選択肢もあるのです。あなたのお気に入りの靴メーカーが 1 級品の皮革だけ使っていると思って、だまされてはいけません。靴業界に存在するトリックの数はあなたには信じられないでしょう。

ブローグブーツ。Crockett & Jones より。画像:The Shoe Snob Blog

#56

靴業界を志望するのであれば、ひとつ覚えておくべきことがあります。それはスケジュール表は常にまやかしであるということです。もし工場が 2 ヶ月で靴を作れると言ったら、4 ヶ月は見積もっておいたほうがいいです。だからこそ、常に顧客に対しての約束は控えめにしておき、期待以上の結果を残すようにしておくほうがいいのです。短期間で仕上げることができると顧客に伝えれば、顧客の失望を収拾するはめになるだけです。

#57

こちらで丁寧に解説していることですが、実際に靴を作るのは長くても一週間しかかかりません。決して 3 〜 4 ヶ月もかかるわけではありません。それでも 3 〜 4 ヶ月かかってしまう理由は、工場にとってあなたが唯一のクライアントではないからです、工場は(良い工場については)待ち行列の仕組みになっています。それだけのことです。新しい注文は、順番待ちの列の後ろです。我慢してください。あなただけが特別で、順番待ちの列の先頭に入れるなんて思わないでください。

#58

色付きのライニングは、薄い色の靴下に色移りすることがあります。特に赤のライニングは。色付きのライニングは敬遠するようにしましょう… 特に明るい色のライニングは。

#59

初めてヒドゥンチャネルを着用するのが雨の日であれば、水がヒドゥンチャネルを作っている薄い革を剥がす絶好の機会になってしまいます。初めてヒドゥンチャネルを着用するときは常に晴れの日を選びましょう。

#60

長年言わなかったことですが、なぜか今になって言わなければならないと感じました。スクエアトゥは断じて生まれるべきではありませんでした。どう見てもカッコ悪いですし、クールやエレガントから最も遠い存在です!

画像:The Shoe Snob Blog

 

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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