Twitter から生まれたミニマルデザインの靴「ツイートシューズ」を製作しました!

こんにちは、カタオカケンです。

今回は、ツイッターで繋がった方々と一緒に製作した「ツイートシューズ」のご紹介です。

製作することになったきっかけやデザインのコンセプト、また試作から完成までの製作工程を時系列でまとめています。

最後には、ギャラリーとして完成した作品の写真を数点掲載しています。

この靴を一緒に作り上げてくださった ZinRyu@Zin_Ryu さん、AKILA@AKILA_Design さん、そして動画を制作いただいた奥野@dkr_okuno さん、お疲れ様でした & ありがとうございました!

ツイートシューズとは?

ツイートシューズは、ツイッターから生まれた靴です。

きっかけは、木型職人の ZinRyu さんがツイッターで立ち上げた「靴を一足無料で作る代わりに、お金以外のリターンをする」という内容の企画です。

この企画のなかで、靴の製作のパートで ZinRyu さんからお声がけいただき、二つ返事で承諾して私が製作を担当することになりました。

たくさんの応募がありましたが、なかでも「ミニマルで美しい革靴のデザイン」という魅力的なリターンで応募してくださったのはデザイナーの AKILA さん。

今までになかったような特別な一足が生まれる可能性を感じ、AKILA さんに一足作ることが決まりました。

そうして出来上がったのが「ツイートシューズ」です。

タイミングが合っていたため、製作した靴を日本の革工芸のコンテスト「Japan Leather Award 2018」へ出展することになりました。

製作に携わった方々

製作に携わった方々を簡単にご紹介させて頂きます。

ZinRyu さん

この企画の発起人の ZinRyu@Zin_Ryu さん。

アマチュアで活躍されている木型職人で、Japan Leather Award 2015 でグランプリ受賞の経歴があります。

素材使いやフィッティングへの深い探究心があり、イベントや SNS で有益な情報を発信されています。

ツイートシューズの木型の製作担当です。

AKILA さん

この企画の当選者の AKILA@AKILA_Design さん。

国内外のデザイン賞を多数受賞した経歴の持ち主で、靴をデザインするのが夢だったとのこと。

SNS でも活躍されていて、「#閃きプロフロゴ」と聞けばピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。

ツイートシューズのデザイン担当です。

奥野さん

靴磨き芸人の奥野@dkr_okuno さん。

YouTube で靴磨きの解説や道具のレビューから、靴磨きイベントや製靴工場への潜入まで、靴に関する情報を幅広く発信されています。

兎にも角にも靴磨き」チャンネル、靴好きの方はすでにご覧になったことがあるかもしれません。

今回は、ツイートシューズの紹介動画を製作いただきました。

カタオカケン(私)

アマチュアの靴職人で、今回は靴製作を担当しました。

ツイートシューズの製作

ツイートシューズが生まれたきっかけや製造の過程を時系列でご紹介します。

Japan Leather Award 2018 の応募に間に合わせるため、2 ヶ月ほどの期間で一足を作らなければいけませんでした。

まったく新しいデザインの靴を生み出すにはすこし短い期間ですが、駆け足で作りなんとか形にすることができました。

はじまり(6/20)

はじまりは ZinRyu さんのこのツイートです。

当選者発表(6/23)

応募者の中から AKILA さんが選ばれ、どんなデザインの靴になるのかワクワクしています。

木型の製作開始(6/24)

オンラインで足の採寸したあと、すぐに ZinRyu さんによる木型の製作がはじまります。

靴の製作の時間をなるべく多く確保するために、早め早めで動いてくださいました。

デザイン(6/25)

並行して AKILA さんは靴のデザインを進めます。

ミニマリストである AKILA さんがデザインしたのは、ヒール部分を革で覆ったホールカットシューズです。

今までみたことがないようなデザインの靴で、カタオカに緊張が走ります。

このデザインをもとにして、製作の工程や完成品のイメージを頭の中で膨らませていきます。

顔合わせ(7/5)

顔合わせをして、デザインコンセプトや細かい仕様を決めていきます。

より良い靴にするために皆でアイデアを出し合いました。

この時点でデザインのほとんどが決まり、あとは試作をしてみてから確認することに。

木型完成(7/13)

ZinRyu さんが木型製作を終え、靴の製作準備が整います。

うねるように立ち上がる甲のラインが特徴的な木型です。

製作開始(7/16 〜)

木型と材料が届き、いざ製作スタートです。

アッパーに使用するのは 30 年もののベビーカーフです。絶対に無駄にできない貴重な革なので緊張します。

試作(7/16 〜 8/10)

しばらくは家に引きこもって試作を繰り返しました。

まず試作が必要だったのは、インソールです。

通常ヒールはアウトソールを貼り付けたその上から取り付けます。

しかし、今回は革で覆った一体型のヒールを実現するため、インソールに革を積み上げてみます。

ZinRyu さんの木型はタイトフィットな設計です。

足から靴にかかる圧力に耐えられるよう、厚くて大きい革の芯材を使ってみます。

なんどか試作したのち、片足のみデザインチェック用の靴(仮縫い靴)を作りました。

ヒールのラインと靴の側面に走る革の切り返しを一直線上にするのがとても大変です。

仮縫い靴を作ったのちメンバーにシェアして、デザインを最終チェックします。

いくつか AKILA さんからフィードバックをもらい、修正して本番の製作に移ります。

打ち合わせ & 撮影

試作が終わった段階でみんなで集まり、製作の進捗具合や修正点などを話し合います。

同じタイミングで、奥野さんに作業風景を撮影いただき動画を作っていただきました。

パターン修正(8/10)

試作の段階でほとんど完成させていたパターンですが、AKILA さんからのフィードバックを反映するため少しだけ手直しを加えます。

木型調整(8/11)

次は、木型を調整します。

ZinRyu さんが製作したのは、丸いラウンドトゥの木型です。

ツイートシューズのデザインに近づけるため、つま先の形をスクエアトゥに変えていきます。

中底製作(8/11 〜 8/13)

パターンと木型の修正が終わったら、次に中底の製作に移ります。

インソールにヒールを付ける構造で仮縫い靴を作ってみたところ具合が良かったので、大きな変更はなくこのまま製作を進めます。

アッパー製作(8/14 〜 8/18)

アッパーに使用するレザーを切り出します。

試作の際に色の付け方をいくつか試してみたところ、うまく色が入らない事態に陥りました。

そこで、革の顔料を一度色を落としてから染料で色を入れることにしました。

ライニングを切り出し、こまごまとした加工をしていきます。

試作をしたときと同じように、木型に沿わせるように芯材を取り付けてクセづけをします。

クセづけをして変形させておかないと、綺麗な靴の形になりません。

釣り込み(8/21 〜 8/23)

次に、釣り込みの工程です。

釣り込みは、平べったい革を引き伸ばして靴の立体的な形に成形する作業です。

ただ引き伸ばせばいいというわけではありません。

デザインのポイントとなっている、靴の側面の革の切り返しがヒールの傾斜の角度と一直線上に並ぶように微調整しながら釣り込みます。

釣り込んだアッパーを中底と縫い合わせます。

底付け(8/24 〜 28)

続いて行うのは、底付けです。

まず、足に馴染みやすいようにインソールとアウトソールの間にコルクを詰めます。

今回は華奢な雰囲気を出すためにマッケイ製法を採用しました。

アウトソールに一つ一つ穴を開けて、アウトソールとインソールを縫っていきます。

ヒール部分にトップリフトを取り付け、飾り釘を打ち込みます。

仕上げ(8/28 〜 8/30)

最後に、仕上げの工程です。

ソールを鮮やかな青色に染めていきます。

真ん中から外側にかけて、少しグラデーションをつけています。

コバやヒールにロウを溶かし込み、艶を出します。

最後に、ワックスを使って磨き上げて、完成です!

ギャラリー

おわりに

ツイッターの企画から始まった「ツイートシューズ」。

いろいろな方にアドバイスをうけながら、なんとか形にすることができました。

製作を任せてくださった ZinRyu さん、デザインをしてくださった AKILA さん、動画で紹介してくださった奥野さん、そしてツイッターで応援してくださった方々、本当にありがとうございました!

この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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