(第 2 回)革靴好きをこじらせて靴作りをはじめました 〜パターン作成と革の裁断〜

どうも、靴づくりビギナーのくすみです。

前回の記事で木型にマスキングテープを貼って、デザインを描きました。
誰もが羨むような美しいロングバンプのストレートチップ、5アイレットのデザインです。

今回はこのマスキングテープのデザインをもとに、革靴の素材となる革を裁断するための型紙(パターン)を作り、実際に革を裁断していきます。

パターンを元に裁断した革を縫ったり貼ったりして靴をつくるわけですが、このパターンはお料理で例えるならレシピのようなもの。レシピが間違っていてお塩の分量がちょっと多かったりしたら、できあがるお料理も美味しく仕上がるはずがありません。

革靴も一緒で、このパターンがズレていたり美しくないとフィッティングにも靴の見た目にも影響してきます。
だから、このパターンはすごく重要なものなんです。

スタンダードフォーム

パターンを作る前にパターンのもととなるスタンダードフォームと呼ばれるものを作っていきます。
スタンダードフォームとは、アッパーの情報も、ライニング(靴の内側の革)の情報も、つま先やかかとに入っている芯材の情報も、全てが含まれるものです。

マスキングテープの余分なところをカッターで切り取ったあと、使う部分を剥がします。

次に、曲面をなるべく平面になるように紙に貼ります。

テープ以外の部分をカットし厚紙に型取り、マスキングテープのデザインを写します。さらに、革の縫いしろや、釣り込みしろ(アッパーを木型に釣り込むときに必要な幅)などの情報を足していきます。

すると、こんな感じの結構複雑な感じに仕上がります。

これがスタンダードフォーム。
この紙に、アッパー、ライニング、芯材、デザインそして木型、全ての情報が含まれているから不思議です。

アシックスのスニーカーのような柄が入っていますが、決してそうではありません。
このスタンダードフォームからちゃんと革靴ができあがります。

パターンの作成

次はスタンダードフォームをもとに、革を裁断するためのパターンをつくります。

しつこいようですが、スタンダードフォームにはアッパー以外にもライニングや芯材の情報も含まれていますので、靴底に使用されるパーツ以外全てのパターンを作っていきます。

まず試しにトゥキャップのパーツを型取り、カタオカ先生にお手本のためパターンをカットしていただきます。
ちなみにこのパターンは僕が型取る線を間違えたので、やり直ししました。先生ごめんなさい。

つま先とサイドに入っている切れ込みは『ギザ』という、パターンの内側であることを示す印です。パターンはほぼ左右対称でつくりましたが、靴の内側と外側で若干左右非対称ののところがあります。なので、内側と外側を認識しておく必要があるんですね。
ギザカワユス。

トゥキャップのパーツはシンプルでよかったんですが、ライニングに使う革は前方と後方のパーツがすごく複雑に作用してできています。
中でも、つま先からタンまでを覆うライニングのパターンは、平面のスタンダードフォームから湾曲しているライニングの構造を再現しなければならず、特に複雑でした。

カタオカ先生には「失敗したら全部やり直しですからね」とプレッシャーをかけられつつ、何度も確認をしながら慎重に作業を進めます。

アッパーだけでなく、ライニングや芯材も含めて、全てのパターンを切り出しました。

普段何気なく履いている革靴が、こんなふうに複雑なつくりになっているんですね。

仮縫い靴用のパーツの型入れ

パターン作成とは別の日。

いよいよパターンを使って革を裁断していきます。
本番の靴を作る前にまず、『仮縫い』と言ってこのパーツで足にフィットする靴ができるのか?ということを確かめるための靴を作ります。もちろん足に合うことだけでなく、靴のバランスや見た目に関わる部分を確認するための靴でもあります。

先日の材料調達の際に買った革を裁断していくわけですが、ここでポイントがあります。
革の右側が牛の頭側、左側がお尻側で、お尻側の方が繊維が密、頭側の方が繊維が流れるようになっています。
繊維の流れに沿って革も伸びるため、繊維の流れを意識して革を裁断すると出来上がったときにバランスが崩れにくいんです。高級靴などはこのお尻の繊維が密で綺麗な場所だけを使うことも多いようです。

せ、先生…。顔!

ただ、今回は仮縫いなので、繊維の流れはそれほど意識せず裁断していきます。パターンの外周や切り込みに『銀ペン』と呼ばれるペンで型取ります。カタオカ先生はこの作業を『型入れ』とおっしゃってました。

仮縫いの段階ではアッパー、ライニング、芯材のみを使います。
サイドに入れる補強用の革は仮縫いでは使わないのと、芯材は加工が必要となり時間がかかるのでまた次回。
一旦今回は、アッパーとライニングのみ革を裁断します。

パターンは基本片足分しかありませんので、それを裏返して型取っていきます。

裏返さないと片足だけのパーツが出来上がってしまうので、何度も確認しながら慎重に進めていきます。

銀ペンを使って、アッパーとライニングにパターンを型どりました。

ここで、あることに気付きます。

先生「あれ、タンのアッパーがないですね…」

僕「え、まじですか!すみません…」

くすみ猛反省の図。

僕「いやこれは先生の指導が不十分だったということでもあるのでは…」

先生「そうですね…」

カタオカ先生、反省の色は見られず…。

パーツの裁断

裁断は革包丁でもカッターでも切れますが、どちらもメリットとデメリットがあるようです。

カッターはプロ仕様のすごく切れ味がいいものを使います。革包丁で裁断する職人さんも多いようですが、僕みたいな素人はカッターの方が持ち慣れているのでカッターで十分です。
カッターはオルファのプロ用のすごくよく切れるものをお借りしていますが、しばらくすると切れ味もだんだん落ちてくるので、そういう時は刃を折ればすぐに切れ味が復活するというのはカッターのメリットです。

革包丁も試しましたが、僕はカッターで作業を進めます。

仮縫いの段階で綺麗にできないと本番の靴で綺麗にできるはずがありません。
なので、不要になったパーツを使ってカッターで裁断の練習をします。

この裁断の作業が意外と難しいんです。特に曲線を切るとき、カッターの刃が斜めになってしまったり、途中で刃が止まると断面がギザギザになってしまったりします。

今回、ロングバンプでストレートチップという革の断面が際立つデザインの靴を作る予定ですので、カッターの扱いに慣れるためにも結構念入りに練習をしました。

カーブがあるところは刃は止めたらダメとか、力入れすぎたらダメと、先生にアドバイスをいただきながら、練習に練習を重ねます。

「あぁ、これ難しい!!」

「ん〜!」

「なるほど…」

「あぁ、刃が寝ちゃった!」

「ちょっとマシになってきたかな…」

とブツブツ独り言を言いながら。
綺麗に切ろうと思うとつい力が入ってしまうため思った以上に難しい作業です。

断面が綺麗に切れるようになった段階で、ようやく革の裁断です。しつこいようですが、仮縫いも綺麗に作りたいので、パワー的なものを、こう…なんて言うか呼び込みます。

靴づくりの巨匠たちが僕におりてくる…おりてくる…。

革のパーツを紙のパターンと同じサイズに仕上げるため銀ペンの内側に刃が入るように裁断していきます。

多少断面がガタついた部分などもありましたが、仮縫いなのと、見た目にそこまで大きく影響しないだろうということで、先生にOKをいただき、今回はアッパーとライニングの裁断まで仕上げました。

集中するとやっぱりなかなか疲れますね。
でも、こうやって目に見えてパーツが出来上がってくると、作ってる感はありますね。

だんだん形になっていく靴にご期待ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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