【翻訳】世界一の靴

本稿は、2018 月 4 月 9 日に投稿された Shoegazing English の記事「Picture special – World champion shoe」を著者の許可を得て翻訳したものです。

翻訳を快く許可してくれた Jesper Ingevaldsson に感謝いたします。

内容は多少の意訳を含んでおり、翻訳に際して私のミスがある可能性も十分にご了承ください。もし間違いがありましたら、Twitter 等でご指摘いただけると嬉しいです。


画像:Shoegazing

今週末、第一回シューメイキング世界選手権が開催され、ドイツのパトリック・フライ氏が優勝、ダニエル・ウェーガン氏が 2 位、フィリップ・アティエンサ氏が 3 位という結果になりました。素晴らしい写真とともに入賞した靴を詳しく見てみましょう。

写真はフォトグラファーのジャニク・ゲンスハイマー・フライブルグ氏により撮影されました。パトリック・フライ氏の靴は、上品な黒のプレーンキャップトゥで、見た目は非常に伝統的です。最も目を引くのは、非常に細く作られたウェストと豪華なシューツリーでしょう(シューツリーは、審査の基準には含まれません)。より詳細に見てみると、ソールの細かいステッチ、20 枚以上の非常に薄いレイヤーが積み上げられてできたヒール、ヒールの裏面の完璧に近い並びの飾り釘、ライニングなど細部に渡って慎重に作られているのがわかります。

パトリック・フライ氏は、靴の制作に約 160 時間、加えてシューツリーの制作に 20 時間以上を費やしました。シューツリーの製作にはバイオリンメーカーが加わり、さらに 20 時間が費やされました。大変な努力が注がれた、まさに第一回シューメイキング世界選手権のタイトルを得るに相応しい靴です。今週土曜日に、ロンドンスーパートランクショーで授賞式がおこなわれました。

パトリック氏は、過去にコンテストなどで優勝した有名な靴職人ではありませんが、11 年間靴に携わってきた人物です。変わった経歴の持ち主で、ストリートパフォーマンスのアーティストとして活動し、アメリカの海岸沿いを旅しながら路上でジャグリングやパフォーマンスをおこなっていました。そして、11 年前にドイツに住み始め、製靴会社で経験を積み、8 年前に自身のブランドを立ち上げました。

パトリック・フライ氏の靴は、Gaziano & Girling に勤めるスウェーデンのダニエル・ウェーガン氏が製作した 2 位の靴と、フランスの製靴会社に勤めるフィリップ・アティエンサ氏が製作した 3 位の靴と共に、世界ツアーに出発します。靴は下記の店舗で展示されます。

  • 伊勢丹メンズ, 東京
  • Prologue, 香港
  • Medallion Shoes, 北京
  • Unipair, ソウル
  • Kevin Seah, シンガポール
  • Leffot, ニューヨーク
  • Leffot, シカゴ
  • Skoaktiebolaget, ストックホルム
  • Skomaker Dagestad, オスロ
  • Brogues Shoes, ジュネーブ

ツアーの詳細は後日お知らせします。

コンペティションのルールなどの詳細はこちらからご覧いただけます。後日、エントリーした 30 足の靴はすべて写真やテキストと一緒にまとめて投稿します。授賞式とシューシャイニング世界選手権の決勝の模様はこちらから動画でご覧いただけます。今週の後半には、ロンドンスーパートランクショーのまとめもブログに投稿する予定です。

木型は非常に細くて低いので、サイズが 42 であっても着用はできません。画像:Shoegazing
写真をよく見ると、非常に薄い革のレイヤーがヒールを構成しているのがわかります。画像:Shoegazing
ウェストやヒールの装飾、手工のトゥスチールなど、称賛すべき点が数多くあります。アイロンで焦がすことで、ウェストとヒールはより深いブラウンに仕上がっています。ナチュラルカラーではなかったことから、総合点から 5% の減点になりましたが、それでも何とかパトリック氏は 1 位にとどまることができました。画像:Shoegazing
シューツリーは審査基準には含まれませんが、それでも注目する価値のあるものです。見た目が良いだけでなく、エンジニアリングの面でも素晴らしく、後部は前に倒して簡単に取り外しができるようになっています。画像:Shoegazing
バイオリンメーカーによる趣のある作り。画像:Shoegazing

入賞した靴は私が何枚か写真を撮りました(先程も触れましたが、エントリーしたすべての靴の写真は後日公開します)。

1 位:パトリック・フライ氏, ドイツ。画像:Shoegazing
2 位:ダニエル・ウェーガン氏, スウェーデン / イングランド。高いヒールのビクトリア朝風の靴です。ソールのステッチは、21 SPI(1 インチあたりの針の数)で、今大会のなかでも最も素晴らしいものでした。画像:Shoegazing
3 位:フィリップ・アティエンサ氏, フランス。フランスらしい遊び心のあるサイドシームとエレガントで上品な木型の造形。画像:Shoegazing
この記事を書いた人

カタオカケン

東京在住、靴作りに勤しむ 27 歳です。作るのはもちろん、靴を眺めたり、靴を磨いたりするのも好きです。鏡面磨きはなかなか上手くできません。

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